皇室ウイークリー(393) | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 



千振地区の入植者と懇談される天皇、皇后両陛下=20日、栃木県那須町

那須御用邸(栃木県那須町)で21日まで静養していた天皇、皇后両陛下は20日、同町の千振(ちふり)地区を訪れ、戦後間もなく中国・旧満州から引き揚げて入植した人々を見舞われた。戦後60年の平成17年にも同地区で入植者らと懇談しており、戦後70年にあたって再会を希望されたという。

 栃木県によると、先の大戦中などに旧満州の千振に移住した開拓団は、終戦間際の旧ソ連参戦を機に日本に引き揚げることになり、那須町内に借りた土地に「千振」と名付けて定住。冷害などで畑作が根付かない中、畜産に活路を見いだし、現在は国内有数の酪農地帯となった。

 両陛下は地区内に広がるトウモロコシ畑などを車で見て回った後、公民館で最高齢の中島澄子さん(91)ら入植者やその家族計7人とテーブルを囲み、一人一人の話に耳を傾けられた。皇后さまは「この辺りの景色もずいぶん違ったでしょうね」と入植当時の苦労をしのばれた。

19日には、御用邸に隣接する「那須平成の森」を散策された。この森は、陛下の即位20年にあたって御用邸用地の北半分が宮内庁から環境省に移管され、23年に日光国立公園の一部として開園したもの。両陛下はブナやミズナラなどが茂る森で、つかの間の森林浴を楽しまれた。

 両陛下は23日、皇居・御所で、初来日したホンジュラスのエルナンデス大統領夫妻と会見された。大統領から秋篠宮ご夫妻の長女で英レスター大大学院にご留学中の眞子さまを同国に招待したいと切り出され、天皇陛下は「そういうお気持ちをうれしく思います」と応じられたという。

 今年はホンジュラスを含む中米5カ国と日本との外交関係樹立80周年で、日本と中米統合機構(SICA)が「日・中米交流年」と位置付け、記念行事を行う。この日の会見で、エルナンデス大統領は「記念すべき年に眞子さまにお越しいただければ光栄です」と話したという。

宮内庁によると、眞子さまにはエルサルバドルからも招待があり、今冬にも両国を訪問されることを視野に日程などの調整を進めている。

 


ホンジュラスのエルナンデス大統領夫妻と会見される天皇、皇后両陛下=23日、皇居・御所(宮川浩和撮影)

 皇太子ご夫妻の長女で、学習院女子中等科2年の敬宮愛子さまは18日に終業式を迎え、夏休みに入られた。宮内庁によると、学校の課題に取り組んだり、友人と会うなどして過ごされているという。

 秋篠宮ご夫妻と、長男でお茶の水女子大付属小3年の悠仁さまは18~20日、悠仁さまの夏休みを利用して山形県を私的に旅行された。昨年も同じ地域を訪れる予定だったが、台風が接近していたため取りやめられていた。

 18日には、遊佐(ゆざ)町の熊野神社で、鎌倉時代から伝承される国の重要無形民俗文化財の神楽「杉沢比山」をご見学。お囃子で使われた太鼓を体験し、秋篠宮さまがリズムをうまくお取りになれないと、悠仁さまが「そうじゃないよ」と代わってたたき、周囲の笑いを誘われた。

 秋篠宮さまが、重要無形民俗文化財の意味について「大事な祭りということだよ」と悠仁さまに説明される場面も。悠仁さまは、地元の小学4年の男児(9)が烏帽子姿で扇子と鈴を持って舞う神楽に拍手を送られていた。

 見学後は、鳥海山の伏流水が湧き出る清流の牛渡川沿いをご散策。悠仁さまは水に手をつけて「冷たい」と驚いたり、「魚捕りたい」とはしゃいだりして夏の思い出を楽しまれている様子だった。

 


岐阜経済大の森誠一教授の案内で、牛渡川沿いを散策される秋篠宮同妃両殿下と悠仁親王殿下=18日、山形県遊佐町


国指定重要無形民俗文化財の「杉沢比山」を鑑賞される秋篠宮同妃両殿下と悠仁親王殿下=18日、山形県遊佐町
 

 


秋篠宮同妃両殿下とご一緒に伝統芸能の「杉沢比山」を鑑賞した後、太鼓をたたかれる悠仁親王殿下=18日、山形県遊佐町 

 高円宮妃久子さまは22~23日に兵庫県をご訪問。22日には西宮市の県立芸術文化センターで、同館の佐渡裕芸術監督がプロデュースしたオペラ「椿姫」を鑑賞された。

産経ニュース


第49回全日本高校馬術競技大会の開会式であいさつされる佳子内親王殿下=25日午前、静岡県御殿場市

 秋篠宮ご夫妻の次女、佳子さまは25日、静岡県御殿場市で開かれた第49回全日本高校馬術競技大会の開会式に臨席し、「皆さまは日々、馬と気持ちが通じ合うよう努力をしていらっしゃると思います。この経験は、馬術に限らずさまざまなところで生かしていけるのではないでしょうか」とあいさつされた。佳子さまが公務による式典であいさつされるのは初めて。

 佳子さまは紺色のスーツ姿で会場に到着し、地元の保育園児の出迎えを受けると、「来年から小学生ですか」「今日は暑い中集まってくれてありがとうございます」と笑顔で声をかけられていた。

 昨年12月に成年皇族となった佳子さまは、今年4月に国際基督教大にご入学。6月には国賓として来日したフィリピンのアキノ大統領を歓迎する宮中晩(ばん)餐(さん)会に初めて臨席するなど、学業に差し支えない範囲で公務を果たされている。

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