パラオ訪問尽力者との茶会で乾杯される天皇、皇后両陛下=6月29日、皇居・宮殿
天皇、皇后両陛下は6月29日、皇居・宮殿で茶会を開き、戦没者慰霊のため4月にパラオ共和国を訪問するにあたって尽力した関係者ら335人を招待された。
招待者は、安倍晋三首相やパラオのフランシス・マツタロウ駐日大使のほか、パラオ訪問を終えて勇退した川島裕前侍従長、ご宿泊先となった海上保安庁の巡視船「あきつしま」の川上直実船長、チャーター機を運航した全日空の星加敏夫操縦士ら多岐にわたる顔ぶれ。
安倍首相が、パラオ訪問が無事に終わったことを祝福したのに続き、天皇陛下が「パラオの人々から温かい歓迎を受けたことは、両国の築いてきた友好協力の関係の表れと、誠にうれしく思っています」とごあいさつ。さらに、招待者に対して「深く感謝しています」とねぎらわれた。
6月30日、天皇陛下は皇居・宮殿で、「節折(よおり)の儀」に臨まれた。続いて、「大祓(おおはらい)の儀」が皇居・神嘉殿(しんかでん)の前庭で行われ、皇族代表で秋篠宮妃紀子さまが参列された。
節折の儀と大祓の儀は、大みそかの12月31日にも行われる。昨年6月、大祓の儀に女性の成年皇族が参列できるように慣例が改められ、同12月31日には秋篠宮ご夫妻の長女、眞子さまが参列された。
皇太子ご夫妻は3日、トンガ王国の招待で国王、ツポウ6世の戴冠式(たいかんしき)に参列するため、羽田空港発のチャーター機で同国に入られた。
トンガのファアモツ国際空港に到着し、少女から歓迎の花束を受けとられる皇太子妃雅子殿下=3日(共同)
療養中の皇太子妃雅子さまにとっては、平成25年4~5月にオランダのアレクサンダー国王の即位式に参列するため同国を訪問されて以来の外国公式訪問となった。
ご夫妻は2日夜から約10時間のフライトにも疲れの色を見せず、ファアモツ国際空港で出迎えたトンガのウルカララ皇太子、ポヒバ首相らと笑顔で握手を交わされた。地元の少女から花束を差し出され、雅子さまが腰をかがめて受けとられる場面もあった。
皇太子さまはこの後、駐トンガ日本大使館で青年海外協力隊、シニア海外ボランティアとご懇談。トンガに2カ月前に赴任し、中高生に日本語を教える毛利有景さんに「トンガ語は難しいですか」と語りかけられた。
夜にはウルカララ皇太子主催の夕食会が開かれ、皇太子さまがご臨席。雅子さまは4日に行われる戴冠式に向けて体調を整えるため、宿泊先のホテルで駐トンガ日本大使から戴冠式について説明を受けた以外は、静かに過ごされたという。
トンガ訪問に先立つ6月29日、ご夫妻で皇居・御所を訪れ、両陛下に出発前のあいさつをされた。また30日には、皇太子さまが外国訪問前の恒例である皇居・宮中三殿への参拝を済まされた。雅子さまは体調への負担などを考慮して控えられた。
秋篠宮ご夫妻は29日、結婚25周年の銀婚式を迎えられた。これに合わせて、「出会い」「子どもたちのこと」など7つのテーマに分けた感想の文書をご公表。秋篠宮さまは「感謝の気持ちもきちんともっています」とつづり、紀子さまにねぎらいの言葉をかけられた。
宮内庁によると、秋篠宮さまの発案により異例の対談形式で発表することとなり、パソコンにそれぞれの「発言」内容を入力される形で作成された。ご夫妻は作成過程も楽しまれていたという。
英国留学中の長女、眞子さまから「母の日」と「父の日」にメッセージカードが送られてきたエピソードもご披露。秋篠宮さまは「妙にうれしい気分になりました」、紀子さまは「胸が熱くなりました」とそれぞれ率直な思いを記された。
産経ニュース