首都直下地震発生を想定した救助活動
陸上自衛隊は30日、首都直下型地震が発生した際の被害を想定した救助訓練を実施した。日本赤十字社や東京都の災害派遣医療チームも参加し、陸自と連携。野外手術システムやヘリコプターを活用した訓練を行った。
大規模災害を想定した自衛隊の総合防災訓練は、東日本大震災が発生した2011年を除き、2006年より毎年実施されている。今回は、都心南部の直下でマグニチュード7.3の地震が発生し、約2万3000人が死亡する規模を想定。訓練は3日間に及び、2日目となるこの日は、災害が発生して24時間後という設定で、関係機関と連携した訓練が行われた。陸自からは隊員80人、車両30台、航空機は陸自ヘリコプターなど5機が参加した。
東京都に32カ所ある大規模救助救出活動拠点の一つ、舎人公園が訓練場所。救急車で患者が到着するとトリアージ施設まで搬送し、重傷者は赤、中傷は黄のエリアに分けられた。その後、患者は治療用のテントに運ばれ、重症者はヘリコプターで自衛隊中央病院や災害拠点病院へ搬送。開胸、開頭など高度な手術ができる野外手術システムもテント横に設けられた。
訓練が始まると、続々と患者が救急車より運ばれ、トリアージや治療室に入る。日赤のボランティアという患者役の迫真に迫る演技により、緊張感があふれる救護活動の訓練となった。