両陛下、春の園遊会で被災者らご激励。女性皇族方は色とりどりの着物姿。
佳子内親王殿下はタイ王女とご再会。
天皇、皇后両陛下は21日、東京・元赤坂の赤坂御苑で春の園遊会を催し、皇太子さま、秋篠宮ご夫妻はじめ皇族方とともに約1800人の招待客をもてなされた。
招待されたのは、青色発光ダイオード(LED)の開発でノーベル物理学賞を受賞した名城大の赤崎勇終身教授、東京電力福島第1原発事故の影響で住民の避難生活が続く福島県川俣町の古川道郎町長、東日本大震災で被災しながら昨年4月に全線再開した三陸鉄道の望月正彦社長ら。
望月社長が全線再開したことを報告すると、天皇陛下は「地域の人も喜んでいるでしょうね」とねぎらわれた。皇后さまは、ノーベル賞受賞が決定した後に行事などが続いた赤崎教授を「お疲れは取れましたか」と気遣われた。
皇后さまはじめ女性の皇族方は色とりどりの着物姿で臨み、宴に花を添えられた。昨年12月に成年皇族となった秋篠宮ご夫妻の次女、佳子さまは4月に国際基督教大に入学したばかりで、学業に専念するため出席されなかった。
皇后さまは18日、東京都港区のサントリーホールで開かれたピアニスト、小山実(み)稚(ち)恵(え)さんのデビュー30周年記念公演を鑑賞された。東北出身の小山さんは東日本大震災の被災地で演奏会を続け、皇后さまとは長年の親交がある。皇后さまはラフマニノフのピアノ協奏曲に熱心に聞き入り、観客とともにアンコールの拍手を送られた。
小山実稚恵さんのデビュー30周年記念公演を鑑賞するため席に着かれた皇后陛下=18日、東京都港区のサントリーホール
両陛下は23日、東京都千代田区内で開かれた日本国際賞の授賞式と祝宴に臨席された。同賞は科学技術を通じて社会に貢献した世界的な科学者に贈られる。祝宴では、両陛下が洪水の被害軽減などに尽力してきた東大の高橋裕名誉教授ら3人の受賞者と席を並べられた。陛下が乾杯のあいさつをして祝福された。
日本国際賞の授賞式で、記念演奏鑑賞のため着席される天皇、皇后両陛下=23日、東京都千代田区の東京国際フォーラム
24日には、両陛下で港区の根津美術館を訪れ、江戸時代を代表する画家、尾形光琳の没後300年を記念した特別展「燕(かき)子(つ)花(ばた)と紅白梅-光琳デザインの秘密-」を鑑賞された。同展は、いずれも国宝で同館所蔵の「燕子花図(ず)屏(びょう)風(ぶ)」と、MOA美術館所蔵の「紅白梅図屏風」を56年ぶりに同時に展示。両陛下は案内役の学芸員から、型紙を使うなど光琳独特の技法の説明を受けながら作品を見て回られた。
尾形光琳300年忌記念特別展「燕子花と紅白梅-光琳デザインの秘密-」で、燕子花図屏風を鑑賞される天皇、皇后両陛下=24日、東京都港区の根津美術館
両陛下には3月下旬から風邪の症状がみられたが、宮内庁の山本信一郎次長は20日の定例記者会見で、陛下は症状がなくなられ、皇后さまも時折、せきが残っているものの快方に向かわれていることを明らかにした。ただ、皇后さまは週末になっても外出先でせき込まれる場面があった。
皇太子さまと高円宮妃久子さまは24日、皇居・東御苑内の楽部庁舎で、宮内庁楽部による春季雅楽演奏会を鑑賞し、重要無形文化財にも指定された古式ゆかしい調べと神楽の舞を楽しまれた。
秋篠宮ご夫妻と佳子さまは23日、非公式で来日していたタイのシリントン王女を宮邸に招き、夕食をともにされた。ご夫妻と佳子さまはともにスーツ姿で玄関先で王女を出迎え、約2時間にわたって懇談されたという。
シリントン王女はプミポン国王の次女で、平成2年6月に行われた秋篠宮ご夫妻の結婚の儀に参列するなど長年にわたり親交を深めている。15年8月に秋篠宮ご一家がタイを旅行された際、学習院初等科3年生だった佳子さまも王女と面会されている。
三笠宮家の彬(あき)子(こ)さまと瑶(よう)子(こ)さまは22日、東京都千代田区の靖国神社を春季例大祭に合わせて参拝された。三笠宮家では祖父の三笠宮さまや、24年に薨(こう)去(きょ)された父の寛(とも)仁(ひと)親王殿下も春秋の例大祭期間中にたびたび参拝されている。春季例大祭が行われている靖国神社を参拝された彬子女王殿下と瑶子女王殿下=22日、東京都千代田区(蔵賢斗撮影)
産経ニュース