「天は我々を見放した」 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 

陸自が真冬の八甲田でスキー演習
「天は我々を見放した」雪中行軍の犠牲者を追悼

産経ニュース


青森県の八甲田山系でスキー演習を行う陸上自衛隊第5普通科連隊=10日午前、青森市


 陸上自衛隊第5普通科連隊(青森市)は10日、青森県の八甲田山系で伝統のスキー演習を行った。199人が死亡し世界最大規模の山岳遭難事故とされる、旧陸軍の八甲田山雪中行軍の犠牲者を追悼するとともに、真冬の雪山での対応力を向上させるのが目的。ことしで46回目。

 横殴りの雪が吹き荒れる中、隊員約700人がスキー板を装着して1人当たり20キロの食料や衣服を担ぎ、午前7時ごろから順次出発した。最大で積雪3メートルにもなる中、7・5キロ先の目的地を目指した。友伸治連隊長は出発前「地形や気象について適切な判断をし、全隊員で踏破を果たす」と決意を述べた。

 八甲田山雪中行軍は旧陸軍歩兵第5連隊が日ロ関係の悪化を受け、ロシア軍の青森上陸を想定して実施。明治35年1月23日に210人が青森市を出発したが、同市南方の八甲田の山中で吹雪のため遭難し、199人が犠牲となった。