【皇室ウイークリー】(367) | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 

大相撲初場所を観戦に訪れ、手を振られる天皇、皇后両陛下=18日、東京都墨田区の両国国技館

 天皇、皇后両陛下は17日、神戸市の兵庫県公館で営まれた阪神大震災20年の追悼式典に臨席された。遺族をはじめとした参列者約500人とともに黙とうしたのち、犠牲者名簿が供えられた祭壇に白菊を手向けて深く一礼し、6434人の犠牲者を悼まれた。

 式典後は、震災の経験を教訓に心のケア方法として生まれた「音楽療法」などの関係者とお会いになった。宮城県の気仙沼市や南三陸町など、東日本大震災の被災地の幼稚園や高齢者施設を訪ねたという松崎聡子・兵庫県音楽療法士会理事長(50)に、天皇陛下は「どんなものが一番喜ばれますか」、皇后さまは「音楽療法士になるにはどんなことが必要ですか」と熱心にご質問。被災者だった人々が、支援者となって活躍している姿を励まされた。

 福島県内で農業復興を支援している兵庫県立大3年の井上幹太さん(21)からは、地元の兵庫でも祭りに参加するなどして高齢化した地域社会を支えていることも聞かれ、陛下は「みなさんの活動によって地域が守られているのは非常に心強いと思っています」と声をかけられた。

 宮内庁東宮職によると、皇太子ご夫妻と長女の敬宮(としのみや)愛子さまも17日、お住まいの東宮御所で黙とうをささげられた。

 両陛下は帰京翌日の18日、東京都墨田区の両国国技館で4年ぶりに大相撲を観戦された。日本相撲協会の北の湖理事長によると、陛下は幕内最年長で40歳の旭天鵬関について「長くつとめていますね」と話すなど、貴賓席から身を乗り出すようにして久しぶりの観戦を楽しまれていた。

 陛下は20日夜から微熱など風邪の症状がみられ、21日以降、一部の公務などを取りやめられた。21日に皇居・宮殿で拝謁予定だった農林水産祭天皇杯受賞者約15人には、皇后さまが会って陛下のお言葉を伝えられた。宮内庁侍従職によると、「さまざまな困難を乗り越え、研究や努力によって大きな成果を収め、農林水産業や地域社会の発展に寄与されたことをうれしく思います」との内容だった。

 皇太子ご夫妻は19日、東京都渋谷区の山種美術館を訪れ、皇居・宮殿「波の間」の壁画「朝明けの潮(うしお)」を手がけた日本画家、東山魁夷(かいい)の没後15年特別展を鑑賞された。

 「朝明けの潮」は山口県の青海島の岩をモデルにしたといわれる壮大な壁画だが、その作風を思わせる幅9メートルの大作「満ち来る潮」を前に、雅子さまは「作られるのにどのくらい?」と尋ねて見入られた。雅子さまが公務で皇居外の美術館を訪ねられたのは平成20年9月以来。同館によると、皇太子さまは「展覧会を2人で見に来ることは大変久しぶりでとても楽しかったです」と話された。

 皇太子さまは21日、学習院女子大(東京都新宿区)で「オックスフォード大学留学体験記」と題し約90分間の特別講義を行われた。同女子大で講義をされるのは11回目。

 

東山魁夷の特別展で、代表作の「満ち来る潮」を鑑賞される皇太子同妃両殿下=19日、東京都渋谷区の山種美術館

 恩賜財団母子愛育会総裁の秋篠宮妃紀子さまは21日、東京都港区芝浦に新築移転した愛育病院の開院式に出席し、テープカットをされた。愛育会は、陛下のご誕生を機とした昭和天皇の下賜金を元に昭和9年に創設された。紀子さまは同区南麻布の移転前の愛育病院で平成18年、長男の悠仁さまを出産されている。

 紀子さまと次女の佳子さまは22日、東京都文京区の東京ドームで開かれた「東京国際キルトフェスティバル」の開会式に臨席された。例年は紀子さまお一人で臨席されており、佳子さまのご同席は初。幼少期から手芸に親しんでいる佳子さまは、展示を見て回って「温かい感じがします」と感想を述べられたという。


東京国際キルトフェスティバルを訪れ、日本キルト大賞を受賞した三坂悦子さんに声をかけられる秋篠宮妃紀子殿下と次女の佳子内親王殿下=22日、東京都文京区の東京ドーム

産経ニュース