クジラ漁解禁2週間 「追い込めてホッと」
産経ウェスト追い込みを行ういさな組合の漁船=和歌山県太地町
和歌山県太地町のイルカや小型クジラの追い込み漁が今月1日に解禁されてから、2週間あまり。ハナゴンドウ12頭が16日、ようやく初水揚げされた。例年より遅れ気味で関係者をやきもきさせたが、地元の「太地いさな組合」の松本修一組合長は「追い込めてほっとしている」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。
町漁協などによると、海水温が高い9月に入ったころは例年、コビレゴンドウやオキゴンドウ、バンドウイルカが太地沖で発見される。ただし、今年は天候不順や潮の流れの影響などからか、まだ確認されていない。そのため、漁師たちは、沖合で確認されていたハナゴンドウに狙いを変えたという。
ハナゴンドウの群れを発見して追い込みを仕掛けたのは今月12、13日。しかし、群れの中でクジラが離れ離れになるなどしたため、追い込むことができなかったという。
昨年の初水揚げは解禁初日の9月1日で、平成24年は9月7日だった。「例年は10日ぐらいまでに初漁があるが、今年は少し遅め。生き物なので予測はできないがこれからに期待している」と町漁協担当者。松本組合長は「漁師はみんな頑張っているので、追い込むことができてうれしい。毎日続けることが大事なので、これから多く捕れるよう頑張っていきたい」と話した。