横田さん夫妻、生徒らに講演会 川崎の洗足学園中学・高等学校
産経ニュース大講堂で講演する横田滋さん、早紀江さん夫妻=15日、川崎市高津区の洗足学園中学・高等学校
北朝鮮による拉致被害者の横田めぐみさん=拉致当時(13)=の父、滋さん(81)と母、早紀江さん(78)の講演会が15日、川崎市高津区の洗足学園中学・高等学校で行われ、講演が行われた大講堂とモニターが設置された小講堂は生徒や保護者ら約1600人で満員となった。
滋さんは、昭和52年にめぐみさんが行方不明になってからの活動内容を説明。平成14年以降事態が進展しなかったことを振り返り、「交渉がない時に比べると希望を感じている」と期待を示した。また、「以前と違い、(国民が)関心を持っていることを感謝している」と聴衆に頭を下げた。
早紀江さんは「涙を流しながら何度新潟の海岸を探し歩いたか分かりません」などと、めぐみさんを探した日々の記憶や、他の拉致被害者の家族の思いを語ると、「私たちは泣いてられない。これは戦いなんです。一刻も早く、元気でいるうちに日本の土を踏ませてあげたい」と声を震わせた。
この日、同校では学園祭が開かれており、生徒会の生徒が古屋圭司前拉致担当相にインタビューするなどして作製した拉致問題に関するパネル展も行われた。生徒会長の高校2年、小泉涼(すず)さん(17)は講演会後、「ひとごとではない。解決のために自分たちにできることを小さなことからやり直したい」と力を込めた。パネル展を回った後、横田さん夫妻は記者会見で、「生徒さんが自主的に勉強し作製したのはすごく大きいこと」(早紀江さん)と謝辞を述べた。
パネル展を回りながら生徒らと談笑する横田滋さん、早紀江さん夫妻=15日、川崎市高津区