【皇室ウイークリー】(347) | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 


インドのモディ首相とお会いになる天皇陛下=2日午後、皇居・宮殿「竹の間」


 月が改まり、天皇、皇后両陛下は再び、お忙しい日々を迎えられた。内閣改造による一連の行事、外国賓客接遇、人事異動者の拝謁など、ご公務がめじろ押しとなった。

 陛下は2日、皇居・宮殿「竹の間」で、公賓として来日したインドのモディ首相とお会いになった。両陛下がインドを訪問した際の印象に始まり、環境問題など幅広い話題に花を咲かせられた。

 日本とインドは平成24年に国交樹立60周年を迎え、両陛下は昨年11~12月、インドを公式ご訪問。宮内庁によると、首相が「昨年来ていただいて、すばらしい訪問だったと思います」と述べ、滞在中の印象を尋ねると、陛下はネール大日本語学科の学生が立派な日本語で討論する様子が印象深かったとお答えに。両陛下のご訪問で日印友好が深まったことを踏まえるかのように、首相は「日本語教育の拡充を図り、日本とインドとの関係を今後さらに強化していきたい」と応じたという。

 陛下は3、4日、内閣改造に伴い、皇居・宮殿「松の間」で新大臣、副大臣の認証官任命式に臨まれた。

 皇太子さまと長女の敬宮(としのみや)愛子さまは、防災の日の1日、お住まいの東宮御所がある赤坂御用地での防災訓練に初めてご参加。小町恭士東宮大夫によると、放水訓練にも参加するなど、防災に対する意識を深めるとともに、訓練の重要性を再認識された。皇太子妃雅子さまは参加されなかったが、お二方から訓練の様子をお聞きになったという。

 秋篠宮ご夫妻の長女、眞子さまは8月30日、東京・有楽町で開かれた「全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」の開会式に臨席、初めて手話を交えあいさつされた。

 冒頭、眞子さまは「私は現在、手話を学び始めたところです」と自己紹介された。「自分の思いや考えを豊かな手話で表現していただきたいと思います」と語りかけ、約5分間のあいさつの半分程度を自らの手話で伝え、会場から大きな拍手を受けられた。

 コンテストには平成3年以降、秋篠宮妃紀子さまが出席して手話であいさつされている。宮内庁によると、眞子さまも昨年まで紀子さまと3回ご臨席。手話への関心を強くお持ちであることから、今回は初めてお一方で臨まれた。

「全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」の開会式で、手話を交えあいさつされる秋篠宮同妃両殿下の長女、眞子内親王殿下=8月30日、東京・有楽町

 関東大震災から91年となる1日、震災や東京大空襲で亡くなった人々の遺骨が納められた東京都慰霊堂(墨田区)で、犠牲者を悼む秋季大法要が営まれ、高円宮妃久子さまが参列された。

 祭壇には、「高円宮」と札がついた白菊の生花のさらに上段に、「御下賜」と札を添えて白菊が生けられた銀製の花瓶一対もあった。都慰霊協会によると、花瓶は昭和天皇が昭和5年3月の建設中に訪ねた際、同協会の前身団体へ下賜したものという。

 

関東大震災並びに都内戦災遭難者秋季慰霊大法要で、焼香を終え自席に戻られる高円宮妃久子殿下=1日午前、東京都墨田区の東京都慰霊堂

 久子さまと次女の典子さまは3日、伊勢神宮(三重県伊勢市)の外宮(げくう)と内宮(ないくう)を参拝し、10月に控えた典子さまと出雲大社禰宜(ねぎ)、千家国麿(せんげ・くにまろ)さん(41)との結婚を報告された。久子さまは平成22年以来4年ぶり7度目、典子さまは20年以来6年ぶり2度目のご参拝となった。

 
沿道の人々に笑顔で手を振られる高円宮妃久子殿下と、次女の典子女王殿下=3日、三重県伊勢市

 1日付で皇室の儀式や外交などを担当する式部職のトップ、式部官長が交代する人事異動があり、小田野展丈(おだの・のぶたけ)氏(66)の後任に、元外務事務次官の河相周夫(かわい・ちかお)氏(61)が就任した。河相氏は外務省北米局長などをへて外務事務次官を務めた。小田野氏は同日付で侍従職御用掛に任ぜられた。宮内庁の山本信一郎次長は同日の記者会見で、小田野氏について「外務省儀典長も務めた識見を生かし、内外の儀式の歴史や課題を研究していただく」と述べた。