【皇室ウイークリー】(345) | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 


戦時中の70年前に米軍に撃沈された「対馬丸」などの悲劇を語り継ぐイベントに臨席された秋篠宮妃紀子殿下、長男の悠仁親王殿下=16日、東京都新宿区の京王プラザホテル




 天皇、皇后両陛下は21日、宮内庁が平成2年から編纂(へんさん)を続けていた昭和天皇の公式記録「昭和天皇実録」の奉呈を風岡典之長官から受けられた。来年の戦後70年を前に、新たにひもとかれる「激動の昭和」の記録は、一層重みを増しそうだ。

 奉呈された本は「正本」と呼ばれ、和紙に印刷し、ひもでとじられている。本文は約980万字、1万2129ページあり、60冊に分冊されている。単純に計算すると、400字詰め原稿用紙なら2万4500枚に上る膨大な分量になる。

 これに目次・凡例の1冊が加わった計61冊が、陛下と皇后さまにそれぞれ1セットずつ奉呈された。宮内庁によると、「帙(ちつ)」と呼ばれる専用の覆いに包んで保管される。「正本」と同内容の「副本」は、皇太子さまや宮家の方々にもお渡しするという。

 
天皇、皇后両陛下に宮内庁から21日奉呈された「昭和天皇実録」全61冊。和紙に印刷され、ひもで綴じた和製本となっている

 厳しい暑さの中、お忙しい日々が続いた両陛下。22日には長野・軽井沢と群馬・草津での静養に出発する予定だったが、広島市で発生した土砂災害によって多くの犠牲者と行方不明者が出ていることを大変心配し、静養日程をすべて取りやめられた。

 皇太子ご一家も、22日から9月3日までの日程で予定していた那須御用邸付属邸(栃木県那須町)での静養を取りやめられた。

 皇太子さまは21日、東京都港区の森アーツセンターギャラリーで特別展「ガウディ×井上雄彦-シンクロする創造の源泉-」を鑑賞された。同展は、昨年から今年にかけての「日本スペイン交流400周年記念」の事業の1つで、皇太子さまは400周年の日本側名誉総裁を務め、昨年6月にスペインを訪問された。

 

日本とスペインの交流400周年記念事業の特別展「ガウディ×井上雄彦-シンクロする創造の源泉-」を鑑賞される皇太子殿下。皇太子殿下は400周年の名誉総裁を務められている。左は、ガウディの建築について説明する漫画家の井上雄彦氏=21日午前、東京都港区の森アーツセンターギャラリー
 
 秋篠宮ご一家は16日、東京都新宿区の京王プラザホテルを会場に開かれた「学童疎開船を語り継ぐつどい2014」に臨席された。

 つどいは、70年前の昭和19年8月22日、沖縄から長崎へ向かっていた学童疎開船「対馬丸」が米軍に撃沈され、多数の子供が犠牲になった事件をはじめとした沖縄の人々の悲劇を忘れないようにと、民間団体が平成7年から東京で開催。秋篠宮ご夫妻と長女の眞子さま、次女の佳子さまは臨席されたことがあったが、長男の悠仁(ひさひと)さまは今回初めて足を運ばれた。

 今年6月に沖縄を訪問した両陛下が面会された対馬丸の生存者の1人、仲田清一郎さん(78)が「救助されましたが、何日もたって意識がようやく回復しました」と当時の様子を振り返る言葉に、ネクタイ姿の悠仁さまも静かに耳を傾けられた。

 沖縄と本土の青少年交流を目的に昭和38年から始まった「沖縄豆記者」を紹介する数々の写真も展示され、豆記者と面会される皇太子・同妃時代の両陛下とともに、お若い秋篠宮さまのお姿も。悠仁さまは、時代の経過とともに写真の中で幼少期から成長されていく秋篠宮さまのお姿に「大きくなってる」と興味を持たれていた。

 
戦時中の70年前に米軍に撃沈された「対馬丸」などに関する展示をご覧になる秋篠宮同妃両殿下殿下、長男の悠仁親王殿下、長女の眞子内親王殿下、次女の佳子内親王殿下=16日午前、東京都新宿区のホテル


 高円宮妃久子さまの次女、典子さまと婚約した出雲大社の禰宜(ねぎ)、千家国麿(せんげくにまろ)さん(40)の地元・島根県出雲市で、久子さまが撮影された鳥の写真と皇室の慶事に使われる菓子器を紹介する「高円宮妃殿下 鳥の写真とボンボニエール展」が17日、始まった。国際環境NGO「バードライフ・インターナショナル」名誉総裁を務める久子さまは開幕式で「写真を通して日本や世界の環境に思いをはせていただければ幸い」とあいさつされた。

 
 「高円宮妃殿下 鳥と写真とボンボニエール展」で、撮影した写真の思いなどを説明される高円宮妃久子殿下=17日、島根県出雲市(山崎泰弘撮影)

 宮内庁は21日、典子さまと千家さんの結婚式が10月5日に出雲大社で執り行われると発表した。