天皇皇后両陛下ご動静。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 



トロッコ列車から手を振られる天皇、皇后両陛下=22日午後、栃木県日光市(蔵賢斗撮影)

(22日・木/宮内庁発表分)

 【午前】

 両陛下 足尾環境学習センターご視察(栃木県日光市)

 両陛下 植樹による緑化状況ご覧(同市・松木渓谷)

 【午後】

 両陛下 ご会食《日光市長、市議会議長》(同市・日光市役所足尾総合支所)

 両陛下 日光市からわたらせ渓谷鉄道で群馬県桐生市へご移動

 両陛下 時間調整のため桐生市役所黒保根支所お立ち寄り(桐生市)

 両陛下 桐生市からJR東日本で栃木県小山市へご移動

 両陛下 小山市から東北新幹線でご帰京


 天皇、皇后両陛下の栃木、群馬両県訪問は、「私的ご旅行」ながら、ご希望を元に調整された立ち寄り先は、鉱害で自然が荒廃した歴史を持つ足尾銅山ゆかりの地だった。長く心を寄せられてきた緑の再生や苦難を乗り越えた人々へのお気持ちが、改めて浮かぶ。

 「様子を一度、見てみたい」。側近によると、陛下は足尾の緑化について、こう話されていたという。初日も、鉱毒対策で作られた渡良瀬遊水地と、被害を訴えた田中正造の出身地、栃木県佐野市をご訪問。車窓から新緑を楽しまれた「わたらせ渓谷鉄道」も、銅を輸送した鉄道が起源だ。

 銅山は昭和40年代まで稼働し、本格的な緑化が始まったのは30年代から。失われた緑は約2500ヘクタールにも上ったが、平成以降はボランティアも加わった植樹で1割ほどがようやく復活してきた。側近によると、陛下は以前、足尾周辺の山の荒廃を直接見たことがあり、気に掛けられてきたという。

 緑化は進み始めたが、「足尾に緑を育てる会」の鈴木聡会長が「元に戻すには数百年かかる。自分の世代だけでは終わらない」と説明申し上げると、陛下は何度もうなずき、こう話されたという。「どうぞ長く続けていってくださいね」。陛下のお言葉に、鈴木会長は「次の世代へと活動を受け継いでいきたい」と思いを新たにした。


トロッコ列車乗車のため、わたらせ渓谷鉄道通洞駅のホームを歩かれる天皇、皇后両陛下=22日午後、栃木県日光市