伊勢神宮内宮を参拝するため、正宮に向かわれる天皇陛下=26日午後、三重県伊勢市(沢野貴信撮影)
運搬役の侍従も緊張? 20年ぶりの「剣璽ご動座」
眞子内親王殿下ICUご卒業、秋篠宮同妃両殿下のご所感は。
天皇、皇后両陛下は25~28日、20年に1度、社殿を造り替え、ご神体を移す式年遷宮「遷御(せんぎょ)の儀」を昨年終えた伊勢神宮を参拝するため、三重県伊勢市を訪問された。両陛下の神宮ご参拝は平成13年11月以来で、即位後4回目。
今回注目されたのが、皇位とともに伝わる「三種の神器」のうち、剣と璽(じ)(勾玉(まがたま))を携行する「剣璽(けんじ)ご動座(どうざ)」。専用列車内での様子はうかがえなかったが、両陛下が東京駅や乗り換えの名古屋駅などで移動される際には、侍従2人がそれぞれ、首に肩掛けベルトを掛け、剣璽を収めた黒いケースをうやうやしく捧げ持つようにして、陛下に付き従った。ご動座は前回の式年遷宮後に神宮を参拝された平成6年以来20年ぶりで、居合わせた利用客や奉迎者らは興味深げに見守っていた。
神宮は皇祖神の天照大神(あまてらすおおみかみ)を祭る内宮(ないくう)、衣食住の神である豊受大神(とようけのおおみかみ)を祭る外宮(げくう)を中心にした125の宮社の総称。神宮司庁によると、神宮の参拝は「外宮先祭(せんさい)」といい、外宮、内宮の順に参拝するのが慣例となっている。
両陛下は26日、午前に外宮、午後に内宮を参拝された。外宮ではあいにくの雨となったが、静寂に包まれた神域の中を、最初にモーニング姿の陛下が、ゆっくりと正宮(しょうくう)へ向かわれた。榊の枝に麻の繊維を付けた「大麻(おおぬさ)」と、御塩(みしお)で神職からおはらいを受けた陛下は、正殿(しょうでん)前にしつらえられた「御浜床(おはまゆか)」と呼ばれる木製台(約1メートル四方)へ進み、玉串をささげて拝礼された。陛下が参拝を済まされると、続いて、白い裾長の参拝服姿の皇后さまも、同様に参拝された。午後には雨も上がり、両陛下は内宮も同じ手順で参拝された。
陛下の伊勢ご到着後、剣璽は神域内にあるご宿泊先の内宮行在所(あんざいしょ)で、陛下のお近くの部屋にケースから出して安置。ご参拝の間も行在所で侍従が見守っていた。
両陛下は27日、式年遷宮の資料を展示した外宮内の「せんぐう館」を訪れ、外宮正殿(しょうでん)の一部を原寸大で再現した模型や神宝などを視察された。
秋篠宮ご夫妻の長男、悠仁(ひさひと)さまが昨年3月、神宮参拝の際に組み立てられた社殿の模型も笑顔でご覧になり、陛下は「階段がおもしろいね」と話された。
皇太子ご一家は24日、静養のため新幹線で長野県に入られた。県北部のホテルに滞在し、スキーを楽しまれる。
ご一家は横に並んで長野駅の階段を下り、集まった人々の歓声に笑顔で手を振って応えられた。白いバッグを持った愛子さまは、少し恥ずかしそうな表情で、雅子さまに顔を近づけてほほ笑まれた。
秋篠宮ご夫妻の長女、眞子さまは26日、国際基督教大学(ICU、東京都三鷹市)を卒業された。皇族で同大に通われたのは眞子さまが初めてだった。
キャンパス入りされた眞子さまは、伝統の黒い帽子に白えり付きの黒ガウン姿。報道陣からの「ご卒業おめでとうございます」との言葉に「ありがとうございます」と応じ、「今のお気持ちはいかがですか」との問いかけには、「楽しい学生生活を送ることができ、感謝しています」と笑顔を見せられた。
卒業式は午前10時から学内の礼拝堂で始まり、眞子さまは「秋篠宮眞子」と呼ばれて壇上へ上がり、卒業証書・学位記を受け取られた。
秋篠宮ご夫妻は、眞子さまのご卒業に当たり、宮内庁を通じ「在学中に得た経験は、公的私的を問わず、今後仕事をしていくうえで、役に立つことがあると思います。そして自身が関心を抱き、学んだ事柄について、これからも深めていくことを願っております」との所感を出された。