プリキュアで詐欺撃退。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 

【ネットろんだん】「詐欺撃退」 オタク母の機転「プリキュア37人言える?」

2月2日から始まるプリキュアシリーズ最新作「ハピネスチャージプリキュア!」(C)ABC・東映アニメーション

人気アニメ「プリキュア」シリーズファンの息子を持つ母親が、振り込め詐欺の電話を「うちの息子ならプリキュア37人を言えるはずだ」と撃退したエピソードが話題になっている。警視庁の公式ツイッターも「オタクは無駄なものではない」と評価。オタクが世の役に立つこともあると再認識され、詐欺撃退法の新たなヒントもくれたようだ。

 「母ちゃんからアンタを名乗る不審な電話が掛かってきたからプリキュア37人言えるか聞いたら慌てて切ったよって…」

 プリキュアファンのある男性が1月3日の昼過ぎ、ツイッターにこう書き込んだ。母親は日頃から男性のディープな趣味に理解があり、息子の名をかたった不審な電話に機転を利かせたらしい。

 この書き込みに対して、当初は仲間うちで「いつの間にか趣味が母ちゃんの公認になっていた」「37人と知っていたことに驚きです」などのやり取りがあっただけだった。だが、書き込みから約1時間半後、警視庁犯罪抑止対策本部の公式アカウントが「プリキュアで母さん助けて詐欺が撃退できる事例。クールジャパン」とコメントをつけて引用し、一気に拡散が始まった。

 ◆警視庁も熱い支持

 その勢いはすさまじく、この発言に対するツイッター上の引用は同日中に1万件を突破。男性のフォロワー数も約200人増加した。

7日には、プリキュアの初期シリーズでヒロインの一人、キュアブラックの声を演じた声優の本名陽子さんも、「オレオレ詐欺を撃退!(中略)すごいね。引っかからなくてよかった」と称賛コメントを寄せた。

 さらに、警視庁犯罪抑止対策本部の公式アカウントが7日にも「オタクは無駄なものではなく役に立つ(こともある)ものだと思っております」と、オタク文化への熱い支持を表明したことで、ネット民は大いに盛り上がった。

 ネットでは「37人の名を言われても、正解かどうか母親には分からないのでは」と疑問視する声もあったが、「プリキュアすげー。マジで犯罪を防いでやがる」「オタク知識が世の中に役立った初の事例では」など、反応はおおむね好意的だ。

 それはそうだろう。これまでは何の役にも立たなくて当たり前とみられがちだったオタク知識に対する価値観がガラリと変わったのだから。

 そのため、ネット上のニュースサイトなどには「普通の人は絶対に言えないから、本人認証に使えるわけか」「オタク語を合言葉にすればいいんだな」などの書き込みが相次いだ。中には、「ガンダムのモビルスーツやポケットモンスターなど、もっと種類の多いキャラクターを使えばいい」といった提案もあった。

◆合言葉だけでも…

 最初の男性の書き込みによると、母親は還暦近いそうだが、機転が利く人物。男性はプリキュア37人について、「多分言えると思いますが、合言葉を決めておくだけでもいいのでは…」とも。

 平成25年の振り込め詐欺被害額はすでに全国で400億円を突破し、過去最悪となるのは確実だ。あるサイトでは、「子供と疎遠で、趣味が何かも知らないような人が引っかかるのだろう」などとみて、親子間コミュニケーションの大切さを指摘。プリキュアの詐欺防止事例を挙げながら、「お前ら親は大事にしろよ」などと戒め合っていた。(壽)

【用語解説】「プリキュア」シリーズ テレビ朝日系の女児向けアニメ(日曜朝8時半)。ごく普通の女子中学生たちが、「プリキュア」という伝説の戦士に変身し、敵と戦うストーリーで、男女ともに熱烈なファンが多い。平成16年から10シリーズ、計約500話を放映し、2月から最新シリーズ「ハピネスチャージプリキュア!」が始まる。映画、ゲーム、漫画などにも幅広く展開している。