両陛下、「思い出の地」インドで温かい歓迎受けられる。カレーもご賞味。
皇后陛下の和装、晩餐会の話題に。
歓迎行事で儀仗隊の栄誉礼を受けられる天皇陛下=2日午前、インド・ニューデリーの大統領官邸(代表撮影)
天皇、皇后両陛下は11月30日からインドを公式訪問し、6日に帰国された。皇太子・同妃時代の昭和35年以来、53年ぶりとなった同国公式ご訪問。両陛下は思い出の旅路をたどりながら、インドの人々に友好のお気持ちをさまざまな形で示し、各地で温かい歓迎を受けられた。
両陛下はニューデリーからチェンナイに向かう政府専用機に乗る際など、さまざまな場面で、インド式のあいさつ「ナマステ」の両手を合わせるポーズをされた。 両陛下は2日、「インド独立の父」と呼ばれるマハトマ・ガンジーの火葬地「ラージ・ガート」(ガンジー廟)で供花や拝礼に臨まれた。皇后さまは、仏教やヒンドゥー教とゆかりの深いハスの花を帽子に飾るなど、お召し物を通じてさりげなくインドへの思いを示された。ラージ・ガートで両陛下はそれぞれ「明仁」「美智子」と、漢字とローマ字で記帳された。
インドといえばスパイスの効いた料理が思い浮かぶが、宮内庁幹部によると、両陛下も滞在中、カレーなどを召し上がったという。同国のメニューは、宗教上の理由で肉を食べられない「ベジタリアン」用と、肉も食べられる「ノンベジタリアン」用に大別される。両陛下がどちらを召し上がったかは不明だが、幹部によると「よく召し上がっていたようだ」という。ちなみに、53年前の帰国後記者会見で、陛下はカレーについて「おいしく食べました。あまり辛くはなかった」と話され、皇后さまは、インドでカレーの作り方を教わったことを明かされている。
2日夜に両陛下を歓迎して大統領官邸で開かれたムカジー大統領主催の晩餐会(ばんさんかい)は、日本での宮中晩餐会とは少し様子が違ったものだった。 宮中晩餐会では、両陛下のお席を中心にして国賓ら主要メンバーの席がある長いテーブルが正面に並び、その正面テーブルとは直角の向きに並べられた数台のテーブルに他の出席者が座るのが普通だ。しかし、今回のインドでの晩餐会は、テーブルが一直線に長くつなげられ、中央付近に両陛下が大統領とともに座られるスタイルだった。「おそらく全長30メートルはある」(宮内庁関係者)というテーブルをはさみ、出席者した計約90人がずらりと並ぶ壮観な光景が広がった。
陛下はネクタイにスーツ姿で臨まれたが、皇后さまは和装で出席され、そのお姿は「参列者の話題になっていた」(宮内庁幹部)という。インドの晩餐会ではアルコール類を出さないため、乾杯はオレンジジュースなどで行われた。出席者によると、紅茶生産量が世界一とされるインドだけに、お茶は3種類提供されたという。
インドの楽団は、昭和30年代のヒット曲「ここに幸あり」や「涙そうそう」など日本の曲も演奏し、両陛下が深められた日印友好に花を添えた。
皇太子さまは3日、来日したバイデン米副大統領と東京・元赤坂の東宮御所で約30分にわたって懇談された。ケネディ米駐日大使も、皇太子さまとは初めての面会になった。皇太子さまは、東日本大震災の際の米国政府や米国民による支援に対する謝意を伝えられたという。
皇太子ご夫妻の長女、敬宮(としのみや)愛子さまは1日、12歳の誕生日を迎えられた。学習院初等科の最上級生として、委員会活動やクラブ活動に積極的に取り組まれているという。
秋篠宮妃紀子さまと長女の眞子さまは4日、宮内庁埼玉鴨場(埼玉県越谷市)で、駐日外国大使夫妻らに伝統のカモ猟を紹介する恒例の行事に接待役として参加された。