田母神俊雄の日本復権。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 









【書評】『田母神俊雄の日本復権』田母神俊雄著 

誇れる国づくりへ覚悟示す。


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 数ある田母神(たもがみ)本の中で本書は異色である。現在84歳で健在な中村五郎氏の自伝の存在を知り、歴史の真実を伝える貴重な「生き残りの全国最年少元特攻隊員の証言」として最初に取り上げているからである。

 自伝は9年前のものであるが少しも古くはなっていない。特攻隊員として国を守り家族を守らんとする誇りと覚悟が伝わってくる。

 立派な日本づくりを目指す元航空幕僚長の田母神俊雄氏は、安倍晋三総理を応援している。その大きな理由は安倍総理に日本の国を愛する国家観、歴史観があるとみているからである。

 それがあってこそ本来あるべき日本の姿に復権できる。そして政治の現実を考えるならば、為政者も日本国民もまたしっかりとした国家観、歴史観が必要である。それなくして真の日本再生はあり得ない。

 そうした田母神氏の思いは、中村氏の証言と連動している。大東亜戦争はアジアを侵略したなどという日本人自身の誤解や非難は、中村→田母神と続く第三章「ウソの歴史を教えたGHQ(連合国軍総司令部)の占領政策」を読むことで十分に解消できる。

 また、誤れる戦後教育によって蔓延(まんえん)する「国家は悪、軍事力は悪」という考え方にも快刀乱麻を断つ本になっている。

 最後の第六章は「リーダーの覚悟と部下の掌握術」である。武士道の教えにも通じ、日常の生き方にも経営者にも大いに参考になる。(高木書房・1365円)

 高木書房代表 斎藤信二