式年遷宮「遷御の儀」、皇室とゆかり深く。
「皇室のご祖先の神」ともいわれる天照大神(あまてらすおおみかみ)がまつられる伊勢神宮(三重県伊勢市)で20年に1度、新社殿にご神体を移す式年遷宮のクライマックス「遷御(せんぎょ)の儀」が2日から始まる。皇室とのゆかりも深い行事で、当日は、秋篠宮殿下が皇族代表として参列され、天皇陛下は皇居で神宮に向かって拝礼する「遙拝(ようはい)の儀」に臨まれる。社殿とともに新調される御装束や神宝などには、皇后陛下が皇居でお育てになった繭の絹糸も使われている。
今回の第62回式年遷宮に関連する諸行事は8年前から始まっているが、約30に及ぶ儀式の中でも、ご神体を古い神殿から移す遷御の儀は最重要といえる。
20年前も筆頭宮家の当主、秋篠宮殿下が参列され、秋篠宮家がなかった40年前には当時の筆頭宮家の当主、常陸宮さまが参列されている。
今回は内宮(ないくう)で2日、外宮(げくう)で5日、それぞれ午後8時から行われるが、皇室の祭祀(さいし)を支える掌典職(しょうてんしょく)などによると、同じ時間帯に皇居では、神嘉殿(しんかでん)の前庭で「遙拝の儀」が行われ、正装の陛下が、閉じられた屏風(びょうぶ)の中で、お一人で儀式に臨まれるという。陛下がお出ましになれないときは、皇太子殿下が代わって臨まれることになるという。
皇后陛下は皇居・御所で、皇太子同妃両殿下もお住まいの東宮御所で拝礼されることになりそうだ。
神宮では秋篠宮殿下のご参列だけではなく、陛下の勅使として掌典職のトップ、掌典長が派遣されるほか、掌典職や、雅楽を演奏する宮内庁楽部(がくぶ)の計約15人も赴く。楽部は、20年に1度の「秘曲」も奏でるという。
20年前の式年遷宮の翌年には、両陛下が神宮を参拝されており、今回の後も、新社殿をご覧になる機会があるか注目されている。