失笑・支那国防プロパガンダ。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 









中国の国防白書 プロパガンダ文書を嗤う




 習近平政権になって初めて中国政府が発表した国防白書は尖閣諸島(沖縄県石垣市)をめぐる問題に論及し、「日本が騒動を引き起こした」と名指しで批判した。

 尖閣諸島が歴史的にも国際法上も日本領土であるのは明白だ。中国が一方的な主張で軍事力行使さえ示唆したことに、世耕弘成官房副長官は記者会見で「中国独自の主張に基づく言動は一切受け入れられない」と述べ、外交ルートを通じて抗議したことを明らかにした。当然である。

 国防白書には「中国は覇権や覇権主義的な行動を求めないし、軍拡競争にも乗り出さない」とあるが、実際はその正反対だ。事実、白書発表の日、中国海軍・南海艦隊のミサイル駆逐艦とフリゲート艦が沖縄本島と宮古島の間を通過し、翌日には尖閣周辺海域に入った。「領土拡張」をにらんだ軍事的威嚇と受け取られよう。

 中国の海洋監視船による日本領海への侵入は常態化している。白書は中国軍が「主権と領土を脅かす行動を断固防止する」と明記し、海軍は潜水艦や駆逐艦などの刷新を急いでいる。昨秋には初の空母「遼寧」を就役させた。

 今年1月、海上自衛隊の艦艇に中国海軍が射撃管制用レーダーを照射した事例もあり、日本政府は中国海軍の尖閣への軍事的関与を抑止する態勢づくりが急務だ。

「覇権を求めない」とする中国の主張が現実の行動と乖離(かいり)している例は尖閣だけではない。南シナ海の大半を自国の領海と主張し、3月には海軍艦船がベトナム漁船に発砲した。領有権をめぐってフィリピンが国連海洋法条約に基づき仲介裁判所に提訴しても応じない。この点でも白書は「海洋管理を強化する」と威圧的である。

 そもそも国防白書には、その軍事力の合理性や主張について国際社会が納得しうる説明が求められるはずだ。同時に国防力全体の透明性も問われている。

 今回の中国の国防白書には陸軍機動作戦部隊や海軍、空軍の現有兵力数が明記された。しかし、地域の安全保障に重大な影響を与える戦略ミサイル部隊や国内の治安を取り締まる武装警察部隊などの兵力、さらに「不透明」と批判される国防費について言及がなく、隠蔽(いんぺい)の印象がつきまとう。

 「責任ある大国」であるべき中国の国防白書は、プロパガンダ文書にすぎず、嗤(わら)うほかない。