西岡 力ドットコム より。
安倍日本総理、韓国
報道機関と初インタビュー
「朴槿恵大統領と信頼構築、新しい日韓時代作りたい」
趙甲済
◎「日本は韓半島の民主的で自由な統一支持」
◎ 「米国の核の傘信頼。日本の核武装はない」
◎ 「米国
と日本は独自に対北朝鮮金融制裁強化」
◎ 「竹島問題
解決ための武力使用はありえない」
◎ 植民地および侵略を謝った村山談話
「継承する」
◎ 「集団自衛権は韓国
をはじめとする世界すべての国が持つもの」
◎ 「私が極右的ならば世界の国も全部極右国家」
◎ 「相互訪問増えてこそ国民感情解消」
◎ 「(外交問題解決策で)政経分離、武力不使用、国民親善の原則に賛成」
インタビューがなされるまで
韓国
大統領選挙より3日はやかった昨年12月16日、日本の総選挙で大勝して3年ぶりに再び政権を取った日本自民党
の安倍晋三
総理(59才)は日本を恐ろしい速度で変えている。 総理就任後3ヶ月の間に彼は国家改造次元の全面的改革ドライブをかけて国の雰囲気を一新した。低迷した経済が活気を取り戻して、疎遠だった米日関係は正常化して、政治に対する信頼が高まった。彼の支持率は70%を越える。去る3月初め東京で会った、ソウル特派員を経験した日本記者は「日本人が自信を回復して指導者を信じることになった点が最も大きい変化」と話した。
「あまりにもはやく色々な政策を出して世論の反応まで良いから普段批判的だった朝日新聞までおとなしい。問題は安倍の健康だ。」
安倍総理は2007年に健康が悪化して1年で止めたことがあるが、そうだとしても記者が政治家の健康まで心配するのだ。
‘アベノミックス’で呼ばれる脱デフレ
戦略は日本銀行による金融緩和
(通貨量の供給拡大)政策を核心にした成長戦略だ。物価上昇率が2%になるまで公共投資拡大、構造改革、賃金
引き上げを促すこと等を通して輸出と消費を振興させるということだ。原子力発電
も継続することにした。安倍が執権するとこのような政策を展開するだろうと予想した市場の反応で総選挙前から株価が上がり円安となり企業の収益構造が改善されている。去る2月安倍総理はワシントンを訪問、オバマ大統領
と会談し、民主党
政権時期に米軍沖縄基地移転問題で隙間が広がった両国の同盟関係の正常化を確認して、米国
が主導する環太平洋経済パートナー協定(TPP)交渉参加を宣言した。
日本は尖閣諸島をめぐる中国
との領土紛争に米日同盟強化で対応しようとしている。米国
も何回も、尖閣諸島を中国が武力で占領することは米日同盟の作戦対象になるという点を明確にした。
二本の冠のひも
安倍総理の強硬な対中姿勢とは異なり、対韓姿勢は朴槿恵政府スタートを契機に「和解モード」に旋回している。当選と就任を前後にして二人の前職日本総理(麻生および福田)が朴大統領を訪ねて面会したし、安倍総理も朴大統領との個人的親交を強調する。
彼は岸信介(母方の祖父・総理歴任)-佐藤栄作(岸の弟・姓がそれぞれ違うのは岸が幼い時に養子
に行ったため. 総理歴任)-安倍晋太郎(父・外相歴任)-安倍晋三
(息子)と続く、日本保守政治の本流を代表する政治名門出身だ。その一族は明治維新の主力だった長州藩、すなわち今の山口県出身だ。安倍はこの地域出身の八人目の総理だ。
安倍総理は過去には親韓派に分類された政治人脈に属する。岸は退任した後にも日本政界で強大な影響力を行使した人だ。彼は朴正煕の近代化情熱に感動して韓日国交正常化交渉を水面下で支援した。韓日国交正常化は彼の弟である佐藤総理の時代に成し遂げられた。
安倍総理も自民党
幹事長
および小泉内閣の官房長官時代に北朝鮮
人権問題を日本人拉致問題とともに国際的に提起して対北朝鮮制裁を強化するのに先頭に立つなど韓国の保守層と友好的だった。日本の保守は、領土および歴史問題では日本左派より国家主義的態度を取る。昨年夏の李明博
大統領の独島訪問以後、韓国の一部では彼らを「極右」と表現したりもする。
ある日本専門家は「国民の70%の支持を受ける安倍を極右だといえば、日本人は韓国
人を極左だと呼ばないだろうか。しかも安倍は日本の過去の植民地支配および侵略を深く謝罪する立場ではないか」と話した。
安倍総理は韓日関係の二重性を見せる人物だ。北朝鮮
政権の肩を持つ日本の左派は過去問題では韓国の側で、韓国の自由民主体制を支援してきた日本の保守派は独島と歴史問題では強硬だ(それでも日本の韓国統治を弁護する保守政治家はほとんどいない)。 昨年夏以後には、北朝鮮
政権を警戒する点では共通点がある韓日両国の保守派が互いに攻撃的に変わった。黄長燁前北朝鮮
労働党書記
は生前に金日成
の戦略をこのように説明したことがある。
「金日成
は韓国
を両班がかぶった冠によく比喩した。冠を両班の頭に縛っているのは二本のひもだ。一つは韓米同盟、他の一つは韓日友好関係。二本のひもを切ってしまえば大韓民国
という冠は風に飛ばされて行くだろうという話だった。韓米-韓日の離間による韓国
孤立化が最も重要な対南赤化戦略だ。」
安倍総理は今年夏にある参議院
選挙でも勝利し、両院の多数議席を確保した後には憲法
改正を通じて自衛隊を正規軍と改名して、集団的自衛権
を明文化するいわゆる「正常国家化」を試みるものと見られる。経済成長政策が成功して国民の支持をずっと維持できるかが鍵だ。
私は2005年安倍氏が自民党
幹事長
代理である時期、彼をインタビューしたことがある。 その年《月刊朝鮮》 5月号に全文がのせられた。
「韓国
は普遍的価値を共有する隣人」
そのような因縁もあって昨年秋、自民党 総裁であった彼とインタビューすることにして、12月初旬に日程をとったが、その間に衆議院 選挙がありインタビューが延期され、3月2日午前、総理となった彼と東京都内の総理公邸で会うことになった。総理就任以後、韓国 言論と行う最初のインタビューだった。質問の通訳は日本人拉致被害者救出運動の指導者である西岡力教授(東京基督教大学)が行ない、総理の答えは録音してきて翻訳した。インタビューは1時間なされたが、安倍総理の発言は速くよどみなく正確だった。