日本欺くダブルスタンダード。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 









【40×40】河添恵子




 新しい布陣による中国が、本格始動する。この新体制について一言でいうと「海洋利権の習近平国家主席と環境利権の李克強首相のツートップ」。共産党政府には5年、10年単位での国家戦略(=野望)があり“派閥”が変わろうとその路線を爆走している。しかもその手法は常に、日本を欺くダブルスタンダードなのだ。

 この二十余年を振り返れば、トウ小平の南巡講話で「資本主義的な経済発展」を表看板に据えた1992年同時期に、国内法の「領海法」を制定。沖縄県・尖閣諸島や南シナ海の島々を「中国の領土」にでっちあげた。江沢民時代には「世界の工場」「13億人の市場」を喧伝(けんでん)し投資を集中させ、開発事業と株式など国内利権による錬金に邁進(まいしん)、その裏では世界各地に反日活動拠点を拡大させていった。

そして10年前の2003年、胡錦濤時代になり「走出去(海外に出ろ)」政策で、中国企業&資本の海外進出と人民の放出を果敢に進めていく。並行して在外公館の機能強化-ロビー活動&産業スパイ活動などの強靱(きょうじん)化を図っていく。さらに最近の5年ほどは、アイスランドやデンマーク領グリーンランドといった北極圏や、軍のクーデターが起きて以来“相性抜群”のフィジー共和国、サモア独立国、ミクロネシア連邦といった太平洋に浮かぶ島嶼(とうしょ)国への金銭外交など、海洋資源・海軍利権の奪取に向けた布石を次々と打ってきた。尖閣、沖縄はもちろん、新潟、北海道なども狙われている。

 では、中国が今なぜ環境汚染の最悪な実態を積極的に発信しているのか? 次なる5年の表看板を「環境・省エネ」に掛け替え、能天気な日本からさらに巨額のカネ&最先端技術を巻き上げるためのキャンペーンと考えるべきなのだ。と同時に日本の世論の分断工作のため、売国・媚中(びちゅう)人間、民主化活動家すら使いこなす。日本はまだ騙(だま)され続けるのか?

 これからも「日本の問題」と絡め、世界を破壊しかねない中国を取材、解析していきたい。

                            (ノンフィクション作家)