アベノミクスに外交構想。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 





安倍氏に注がれる熱い視線

http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20121225/frn1212250800000-n1.htm






草莽崛起:皇国興廃此一戦在各員一層奮励努力。 


フィナンシャル・タイムズ(アジア版)





 安倍晋三次期政権の外交や経済政策の具体的な方向性に、海外メディアが強い関心を示している。「アベノミクス」と呼ばれる安倍氏のデフレ克服策に欧米紙が期待を寄せたり注文をつけたり。近隣諸国では「日本の右傾化」を警戒する論調がなお目立つ中で、インドは、安倍氏が提唱したアジア太平洋地域の外交構想の実行に熱い視線を注いでいる。

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 ▼フィナンシャル・タイムズ(アジア版)

 ■チャンスを逃すな

 18日付の英紙フィナンシャル・タイムズ(アジア版)は「再びチャンスを勝ち得た安倍晋三氏」と題する社説を掲載した。安全保障を重視する安倍氏への近隣諸国の疑念に理解を寄せつつ、新政権ではデフレ脱却に全力で取り組むよう求める主張を展開した。

 社説はまず、安倍氏が前回の首相時代に「美しい日本」というビジョンを掲げ、防衛庁の省への昇格や憲法改正を目指したことが「人気の急落」につながったとの見解を示した。

 その上で今回の衆院選の勝因には「中国による領土への脅威」があったと指摘。安倍氏の目指す安保政策が対処しうる事象が起きつつある現状を認めつつ、「それでも新首相は経済に大半の集中力を割かねばならない」と強調した。

 具体的には安倍氏が「日銀に2~3%のインフレ目標を設定するよう提案」したことを「良いアイデアであり、日銀の独立性を傷つけることなく実施できる」と指摘。日銀総裁人事についても「(経済)成長回復とデフレサイクルの終結に熱心に取り組む」人物を選出するべきだと主張した。

 その理由として、「インフレは万能薬ではないが、それ抜きで建設的なことを多く成し遂げることはできない」と解説。消費税増税が経済成長の実現を前提としていることを踏まえ、「通常、極度な倹約家の財務省も、増税実施のために十分な経済成長を手に入れるために、財布のひもを緩める」と、財政支出が可能になると分析した。そして2013年に日本で「わずかな成長のほとばしり」が起きうると予測した。

 社説はインフレによる資産の目減りや金利上昇の危険性にも言及しつつ、「これが、残された唯一の賢明な道」とし、「安倍氏は今回のチャンスを逃すべきではない」と強調した。(黒川信雄)

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 ▼ウォールストリート・ジャーナル(米国)

 ■アベノミクスには構造改革も

 「アベノミクス」への期待が先行する日本に比べ、米国ではその成否に注目しながらも、一歩引いた慎重な見方も目立つ。

 17日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルは社説で、「日本の有権者は民主党を政権から引きずり下ろしたが、(安倍次期政権の下でも)経済については大きな変化はおそらく見込めない」と予測した。

 同紙は一般記事で、「安倍氏は経済再生に向け野心的な行動を希求し、中央銀行へ圧力をかけている」とし、安倍氏の経済政策の根幹は、日銀による建設国債引き受けに支えられた財政出動にあると指摘した。

 だが、社説は「日銀はすでにマネーサプライ(通貨供給量)を大幅に拡大している」とし、デフレに歯止めがかけられないのは、「資金需要が低すぎるためだ」と指摘。市中に出回るお金をこれ以上潤沢にしても、景気の先行きへの懸念から民間企業の借り入れ需要が乏しい限り、効果は乏しいとの見方を示した。

 その上で社説は、政府が財政出動などで需要を作り出すことで経済を活性化すべきとするケインズ主義や、経済成長に見合う通貨供給を重視するマネタリズムよりも、「日本経済の再生には、規制緩和や貿易の自由化の方がよほど有効だろう」と説き、「自民党はいまだに企業や農業の既得権益を保護しようとしている」と苦言を呈した。

 アメリカン・エンタープライズ政策研究所(AEI)のマイケル・オースリン日本部長も同紙への寄稿で、金融緩和はデフレ脱却に役立つ可能性はあるが、「投資を促す政策や過剰な規制を突き崩す改革がなければ真の回復は見込めないことに安倍氏は気づくかもしれない」とし、前首相時代に挫折した構造改革の断行が求められると注文をつけている。(ワシントン 柿内公輔)

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 ▼ヒンズー(インド)

 ■「拡大アジア戦略」実行を

 インドの新聞の多くは、自民党の安倍晋三総裁の首相就任を日印関係を深化させる好機ととらえ、安倍氏に強い期待を寄せている。安倍氏を好感する大きな理由の一つは、安倍氏が首相として2007年8月に訪印した際にインド国会で行った演説が、強烈な印象を残したことにある。

 安倍氏は「太平洋とインド洋は、今や自由の海、繁栄の海として、1つのダイナミックな結合をもたらしている。従来の地理的境界を突き破る拡大アジアが、明瞭な形を現しつつある」と主張。日本とインドの戦略的グローバルパートナーシップをユーラシア大陸の外縁に沿う自由と繁栄の弧の「要をなす」として、日印関係重視を明確にした。インド各紙は衆院選後、この演説を何度も引用して安倍氏を紹介している。

 演説は当時、「中国外しだ」との中国の反発を買ったが、親中報道が目立つヒンズー紙でさえ19日、「安倍首相誕生」に期待するサンジャヤ・バル元首相補佐官の寄稿を掲載した。

 バル氏は、「安倍氏は日本で何度も交代してきた首相と同じではない。すぐれた家系と習得した勇気、先見の明を持っている」と称賛し、安倍氏が演説で、日本の首相として独立インドを初めて訪問した祖父の岸信介氏から、インドでの体験を「膝下(しっか)、聞かされた」と述べたことも紹介した。

 今後の日印関係については、「アジアで最も技術的に進歩した経済大国日本は、インドの経済発展を助けられるし、インドは10億人以上の成長市場、そして世界最大の若年層を蓄える国家として日本に市場と人的資源を提供できる」と指摘。「安倍氏は先見の明を現実のものにする権限委託を得た」と結んで日印を軸とした「拡大アジア戦略」の実行を求めた。

                (ニューデリー 岩田智雄)