笑いごとではない尖閣ひっくるめ。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 






【中国覇権主義に勝つ】「琉球返還」要求

http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20121212/frn1212120709000-n1.htm





今年8月、米軍普天間飛行場の辺野古移転に賛成する名護市民の集会があった。いまでも辺野古区民の多くが移設に賛成しているのに、そうした声はメディアでは報道されない。

 天皇、皇后両陛下が11月に沖縄県をご訪問された際、約7000人の県民が奉迎の提灯行列を行った。ご訪問先でも日の丸を振る県民が多数迎えたが、そのような光景は沖縄のメディアはもちろん、全国メディアでもあまり報じられなかった。

 一体、沖縄で何が起きているのか。

 9月から、オスプレイ配備反対の集会やデモが大きく報じられたが、その集会に、五星紅旗(中国国旗)がデザインされたうちわを持った参加者がいて、話題となった。オスプレイは行動半径が約600キロあり、沖縄本島を起点に尖閣諸島までカバーできる。尖閣強奪を狙う中国が最も警戒しているのだ。

 中国は9月の国連総会で「尖閣は日清戦争以前は中国領で、第二次大戦終結のポツダム宣言を受諾した日本の領土ではない」というデマ宣伝を行った。ところが、日清戦争以前から尖閣が沖縄に属していたという歴史的文献が発見され、中国の言う根拠がことごとく崩れている。

 実は、中国はそれを織り込み済みで、今度は「沖縄はもともと中国のものだ」という“学説”を正当化しようとしている。人民解放軍の複数の将官が最近、中国共産党系テレビなどで「琉球(=沖縄)は中国のもの」と解説している。一連の反日暴力デモでは「琉球返還」というスローガンも掲げられた。

 米上院は11月末、尖閣防衛義務を再確認する追加条項を盛り込んだ修正案を全会一致で可決した。このような対応を米議会が取ったのは、日米安保は米議会の承認で発動されるからだ。

 同盟国が先手を打っているのに、日本の動きはどうも鈍い。中国が新規発行した旅券(パスポート)に、南シナ海や台湾を「自国領」とする地図やデザインを記載し、関係国や地域から一斉に抗議の声が上がっている。しかし、日本政府は不気味なほど無反応だ。

 今月9日には、ベトナムの中国大使館前で西沙諸島への中国の侵略に抗議するデモが行われ多数が検挙された。

 前回紹介した「アジアの民主化を促進する東京集会」に出席していた、ベトナム革新党のアウン・ミン・ユン氏は「共産主義のベトナムで、デモをやれば厳しい弾圧が待っている。それでも私たちはやらざるを得ないのです」と語った。中国の覇権主義に体を張って抵抗しているのである。

 中国では「琉球共和国憲法」「琉球国旗」まで作られ、返還要求も始まっている。日本はあまりにものん気ではないか。 =おわり

 ■西村幸祐(にしむら・こうゆう) ジャーナリスト。1952年、東京都生まれ。慶應義塾大学文学部中退。在学中、「三田文学」の編集を担当し、80年代後半から、作家、ジャーナリストとして活動。2002年日韓サッカーW杯取材後、拉致問題や歴史問題などにも、取材・執筆分野を広げる。アジア自由民主連帯協議会副会長。著書に「『反日』の構造」(文芸社文庫)、「幻の黄金時代」(祥伝社)など。