バスケ、チェロ、ゆでたまご…愛子内親王殿下お忙しい日々。
天皇、皇后両陛下は3日から5日にかけ、京都、岐阜両県を訪問された。出発と到着で東京駅を使う際には、駅の改修工事中には使えなかった「貴賓通路」を平成19年12月以来5年ぶりに通られた。
入り口には特に看板が出ているわけではなく、一見すると貴賓通路だとは分からない。10月の山梨県訪問の際には「貴賓玄関」は使われたが、中央線のホームに至るには別の動線の方が便利だったため、貴賓通路は使われなかった。
両陛下は6日夕、東京都台東区の東京芸術大学大学美術館で、「尊厳の芸術展」をご覧になった。
同展は太平洋戦争中、米国で強制収容された日系米国人が、限られた材料をもとに作った美術品や日用品を展示。ワシントンで「The Art of Gaman(=我慢の芸術)」として開催されていたが、NHKのテレビ番組「クローズアップ現代」で紹介されたことをきっかけに、日本でも開かれることになった。会場では米国のジョン・ルース駐日大使や、同番組の国谷裕子キャスターも両陛下を迎えた。
展示からは、厳しい生活の中、創意工夫をこらして少しでも豊かな生活を送ろうとした日系人たちの不屈の精神や尊厳がうかがえる。両陛下は強い関心を示しているご様子で、陛下はくず鉄を使った汽車を前にし、「よくこういうのができますね」と感心されていた。
石製の湯飲みのような器には「大変ですね。これだけくり抜くのは」。すずりには「これだけ作ったら、墨を(入手することを)考えるでしょうね」と述べられた。石などはガラスで磨かれていたと聞くと、「手なんかけがしないの? 大丈夫?」と驚きながら案じられた。
皇太子ご夫妻の長女、敬宮愛子さまは1日、11歳の誕生日を迎えられた。宮内庁が公表したご近況については当日の記事で掲載しているので、ここでは掲載し切れなかった内容を紹介したい。
愛子さまは4月に5年生に進級してから家庭科の授業が始まり、裁縫でペットボトルやポケットティッシュの入れ物を、調理実習でゆでたまごやサラダをそれぞれ作られた。5年の前期は美化委員、後期は保健委員を務められた。
管弦楽部に加え、バスケットボール部にも入られたことが報じられたが、バスケットボール部は全員が何らかの部に入る「クラブ活動」として、管弦楽部は「特別クラブ」としての活動という。バスケは月3回の練習と週1回の朝練、月数回の対外試合、管弦楽(チェロ)は朝や放課後、土曜の活動とのことで、忙しいご生活ぶりがうかがえる。
これに加え、音楽や造形、習字、英語のお稽古も続けられておられるそうだ。「造形」では、外部から先生を招き、万華鏡、焼き物などを昨年から作られている。誕生日に合わせて宮内庁が提供した写真の中には、愛子さまが針金とボール紙で花を作られている場面があるが、これも造形のお稽古での作品という。
なお、先週の皇室ウイークリーに掲載した愛子さまのウイルス性胃腸炎の影響で、ご一家で皇居を訪問し、両陛下に誕生日のごあいさつを行うことは取りやめられた。今年は1日に愛子さまの学校行事があるため、ごあいさつは日曜日の2日に予定されていた。愛子さまは1日の行事も休まれた。
宮内庁によると、愛子さまはすでに回復し、通学を4日から再開された。風邪気味だった皇太子ご夫妻も、回復に向かわれているという。
各宮家は今週もさまざまな公務を果たされた。
秋篠宮妃紀子さまは3日、憲政記念館(東京都千代田区)で「公益財団法人聴覚障害者教育福祉協会第35回聴覚障害児を育てたお母さんをたたえる会」に臨席された。
秋篠宮ご夫妻は4日、国立新美術館(東京都港区)で「リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の秘宝」を鑑賞された。
秋篠宮さまは5、6の両日、北海道を訪問し、日本動物園水族館協会の「第57回水族館技術者研究会」に臨まれた。暴風雪の予報を受け、6日のお帰りは予定が3時間繰り上げられた。
7日には秋篠宮ご夫妻で京都府を訪問し、「平成24年度御寺泉涌寺を護る会定期総会」に出席された。
常陸宮さまは6日、東京芸術劇場(東京都豊島区)で、第31回「肢体不自由児・者の美術展及びデジタル写真展」表彰式に臨まれた。
皇室最高齢の三笠宮さまは2日、97歳の誕生日を迎えられた。
寛仁親王家の長女、彬子さまは7日、埼玉鴨場(埼玉県越谷市)で外交団を接待された。
高円宮妃久子さまは11月30日夜、韓国文化院(東京都新宿区)で「韓日文化交流の集い2012」に出席された。12月1日には、よみうりホール(千代田区)で、「高円宮杯第64回全日本中学校英語弁論大会決勝大会」と、帝国ホテル(同)での同大会レセプションに臨まれた。
6日には東京プリンスホテル(港区)での「いけばなインターナショナル東京支部フェア2012」と、日本外国特派員協会(千代田区)での「第8回日米ユースフォーラム」に出席された。