めぐみと私の35年。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 









【書評】『めぐみと私の35年』横田早紀江著



草莽崛起:皇国興廃此一戦在各員一層奮励努力。 


               『めぐみと私の35年』横田早紀江著(新潮社・1260円)



小泉訪朝から10年がたっても北朝鮮による日本人拉致問題の交渉に大きな進展は見られない。当時13歳だった横田めぐみさんが新潟で行方不明になってからは35年の月日が流れた。絶望、怒り、そして祈り…。最愛の娘を捜し、待ち続ける母の魂の記録だ。

 昭和52年11月15日の夕刻、娘が突如姿を消してから家族の幸せな日々は暗転する。毎夏のように警察に遺体確認に赴き、娘に似た子の写真を見ては訪ね歩く。そして北朝鮮による拉致報道後の急展開…。〈政府の人たちには命に関わる問題をもっと真剣に考え、身体を張ってでも助けようと思っていただきたいのです〉。35年を経て、心の底から絞り出された著者の言葉は重い。

                             (新潮社・1260円)