消耗戦に打ち勝つ。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 










【湯浅博の世界読解】

尖閣周辺の日中消耗戦に打ち勝つ。 

堅固な日本に中国メディア困惑も。





沖縄県尖閣諸島の周辺海域は、いよいよ我慢比べの「消耗戦」に入った。中国や台湾の公船は、台風で海が荒れていない限り、一定のシナリオに基づいて連日のように姿を現す。数で相手がひるむのを誘う作戦だ。

 それを予感させたのは割合に早くて、7月9日付の中国共産党機関紙、人民日報系の国際情報紙「環球時報」だった。「日本が釣魚島(尖閣諸島の中国名)問題で中国と争っても、まったく勝ち目はない」という宣伝記事である。

 記事は中国の取るべき戦術を列記して、「互いに報復しあおうではないか」と日本に揺さぶりをかけた。(1)巡航による主権行為を日本より多く実施する(2)日本が1歩進めたら、中国は2歩進める(3)両岸4地(本土、台湾、香港、マカオ)による保釣(尖閣諸島を守る)活動を強化する(4)経済関係に悪影響を及ぼす-などの4項目を挙げた。

 この記事は、台湾の馬英九政権について「当局はあまり熱心ではないが、民意として馬政権に呼びかけさせる」と、台湾を巻き込んで政権を動かす策略だ。台湾の巡視船が尖閣周辺に現れるところを見ると、中国の魔の手が伸びていたか。台湾や香港も巻き込んで日本の巡視船を疲労困(こん)憊(ぱい)にさせるシナリオは、周辺海域で忠実に実行されている。

これら東シナ海の消耗戦は、フィリピンやベトナムを相手に南シナ海でみせる威嚇戦略とはやや異なる。比越には、対艦弾道ミサイルを装備した中国海軍の軍艦をちらりと見せていた。弱者に力を誇示する古典的な「砲艦外交」である。

 海軍力のある日本に対しては逆に海洋警察力を駆使して、ともかく我慢比べに持ち込む。尖閣周辺には、国家海洋局海監総隊に所属する海洋監視船「海監」と、農業省の漁業監視船「漁政」が展開する。

 海洋警察力としてはほかに、違法行為を取り締まる海警部隊、事故防止や救難活動をする交通部海事局などがある。中国海軍はいまのところ、将官クラスが威嚇発言を請け負い、日本国民の動揺を誘う「心理戦」を実行している。

 これに対して日本は、海上保安庁の艦船約360隻のうち、40隻前後を尖閣周辺に動員してがんばっている。中国メディアの中には、日本が予想外に堅固であることに、困惑する様子さえうかがわれる。

 米海軍大学のトシ・ヨシハラ教授は9月12日の米下院外交委員会で、中国が海洋警察力を動員するのは、米海軍に手出しできない状況をつくるためであり、数で日本に戦略的疲労をさせるためだと証言した。確かに、中国の海監や漁政による挑発では、小規模すぎて米軍が介入する余地がない。米国が「アジア回帰」を策しても、このままだと日本など同盟国からの信頼がそがれかねないだろう。

そこでヨシハラ教授は、南シナ海の沿岸各国には艦船の増強に対して自助努力を支援する。また、偶発戦争に備え、同盟国に対艦巡航ミサイル部隊など攻撃力の配備計画をつくるよう米政府に求めている。国によっては小規模の軍事力を提供する。

 中国は尖閣周辺での海洋消耗戦とともに、国際社会に対しては「日清戦争末期に中国から盗んだ」とウソをふりまく。虚偽を繰り返して国際社会に信じ込ませる「世論戦」である。

 日本は今後も消耗戦のストレスと付き合いながら、比越など東南アジアと緊密な連携が不可欠になる。日本外交にも時には問答無用のことがある。

                                   (東京特派員)


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消耗するのは支那だけやけどね。笑っ。




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