【都道府県 伝統の教え】福島県
福島県白河市の市立五箇小学校は児童数100人ほどの小さな学校だが、書写教育に力を入れ、数々の展覧会で輝かしい成果を収めている。
同校では1、2年生は鉛筆での硬筆書写で、3年生になると、毛筆による書写を学ぶ。だが、希望する児童には1、2年生でも毛筆の指導をする。
書写指導では、うまく字を書くことよりも、一字一字をきちんと書くことに重点をおき、ていねいな筆遣いを覚えると、鉛筆書きも驚くほどうまくなるという。
同校では3学期の始業式の日に書き初め大会を、夏にもたなばた大会を開催し、全校児童が書に向かい、集中力を養っている。
大人でも奥深い書だが、日頃、わんぱくな子でも書写の時間はおとなしく、筆遣いに集中し、自分の世界にのめり込むように夢中になって筆を運ぶ。どんなにうまく書けても、もっといい字を書きたいという謙虚な子ほど、どんどん伸びていくという。
同校では「書という日本伝統の文化を通し、子供たちを教育するということは、これからますます大切になると思う」と話している。