国民大集会で家族ら訴え
北朝鮮が日本人拉致を認めた日朝首脳会談から17日で10年になるのを前に、拉致被害者の早期救出を呼びかける「国民大集会」が2日、東京都千代田区の日比谷公会堂で開かれた。野田佳彦首相が民主党政権の首相として初めて出席したほか、主要政党の代表者が顔をそろえ、被害者の家族らが聴衆約2千人(主催者発表)とともに「オールジャパン」による拉致事件の全面解決を訴えた。
野田首相は「残された被害者の帰国を実現できていないことが痛恨の極み。被害者の即時帰国をはたすべく最大限努力する」と決意を表明。横田めぐみさん=拉致当時(13)=の父、滋さん(79)が野田首相に933万583人分の署名目録を手渡し、解決への協力を求めた。
田口八重子さん=同(22)=の兄で家族会代表の飯塚繁雄さん(74)は「オールジャパンの意気込みとして北に向かって強いメッセージを送りつける大きな役割がある」と集会の意義を強調。今後、課長級から局長級に格上げされて開かれる予定の日朝政府間協議について「待ちに待ったチャンス。政府は戦術戦略を練って協議の進展をはかってほしい」と話した。
集会の最後に合唱で「故郷」を歌う横田滋さん(右)、早紀江さん夫妻(左) =2日午後、東京都千代田区
(鴨川一也撮影)
