逮捕するなら結構だ。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 










都の尖閣上陸不許可に石原知事

「理解できない、逮捕するなら結構だ」





都関係者「日本の主権示す機会逃した」


 政府が東京都による尖閣諸島上陸申請を不許可とした背景には、中国との摩擦拡大を恐れたほか、都への売却交渉を進めるとしてきた地権者の意向が変化しているとの判断がある。政府は直接購入へ交渉を急ぎたい考えだが、購入後の活用計画の策定は加速しているとはいいがたい。地権者との交渉も一筋縄ではいかず、なお国有化への道は険しいのが実情だ。


地権者が心変わり


 「現実をしっかり見据えた上の判断だ」

 藤村修官房長官が記者会見でこう言及した「現実」とは、都の購入計画の難航を指す。地権者は都の上陸申請に同意書を寄せず、政府の意向確認にも「政府の責任で判断してほしい」と回答したとされる。中国との摩擦を避けるため不許可理由を探していた政府にとっては、格好の口実だ。

 関係者によると地権者はいったん上陸申請に同意していた。「終戦記念日の15日に都と仮契約を交わす」との情報も流れたほどだ。ただ最近になって、都の購入計画の実現性に不安を漏らし始めたといい、価格交渉も難航しているもようだ。地権者の親族は27日、不許可について「賃借して管理している政府の判断だ」と述べた。

 政府は7月末、買い取り額として都の寄付金(約14億4千万円=24日現在)を上回る約20億円を地権者に提示。長浜博行官房副長官らが地権者本人や周辺者と接触し、国有化に向けた交渉を進めてきた。政権幹部は27日、「野田政権のうちに国有化したい」と述べ、交渉進展に自信をみせた。

ただ、国有化の前提となる尖閣の活用計画は描けていない。「地権者は今でも都との交渉を基本に据えている」と語る関係者もおり、交渉はなお曲折が予想される。


石原知事「理解できない」


 一方で都は、上陸不許可によって島内での詳細な調査が不可能となった。石原慎太郎知事は「『平穏かつ安定的な維持管理のため』という理由にならない理由で立ち入りを認めないとのことだ」とした上で、「判断は到底理解できない。都の現地調査までに立ち入りを認めるよう、引き続き強く求めたい」とのコメントを発表した。

 現地調査は上陸を視野に計画され、海難救助船をチャーターし、島に近づくための小型船と上陸用ゴムボートも用意していた。都関係者は「今回の調査は都のためだけでなく、日本の主権を示す意味があったが、政府はみすみすその機会を逃した」と指摘した。

 石原知事はすでに10月の再調査を表明。「考えていることもあり、現場で指示する。逮捕するなら結構だ」と上陸に意欲をみせている。都の担当者も「今回の調査は実務のための基礎的なもので、さらに踏み込んだ調査をしたい」と再調査について説明している。

 都の調査団は、海洋や生態学の専門家、不動産鑑定士、都職員ら計25人。台風の影響で8月中の調査は見送り、早ければ9月2日早朝から実施する。魚釣島と北小島、南小島で不動産鑑定のために水源や平坦(へいたん)地の割合などを調べるほか、活用策検討のために海水や大気を測定。着岸施設の適地を探り、沿岸部の水深などを確認する。