【皇室ウイークリー】(238) | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 










皇后陛下と吉田秀和さん、音楽の「絆」

雅子さま「お付き添い」報道に東宮職抗議






心機能が低下して聖路加国際病院(東京都中央区)に6月15日から入院していた三笠宮さまは11日、心臓の僧帽弁(そうぼうべん)閉鎖不全を治療する手術を受けられた。宮内庁は手術が無事に終わったと発表した。

 医師団などによると、三笠宮さまは7日に血圧が一時50台まで低下したが、昇圧剤により90台まで回復。11日まで小康状態を保たれていた。だが、投薬などの内科治療だけではご回復に限界があり、リスクが高まっているとして、手術で体調不良の原因自体を解消する「抜本治療」に踏み切ったというのが、今回の流れだ。

 宮内庁関係者によると、手術の前には、三笠宮さまは薬などの影響で意識が明確でない時間があり、手術の実施について、十分に説明を受けられなかった。このため、手術を希望していたという三笠宮妃百合子さまが「代理同意」をされたという。風岡長官によると、12日に目を覚ました三笠宮さまは、手術が無事に終わったと説明を受けてうなづかれたという。

 一方、風岡長官によると、天皇、皇后両陛下は連日お見舞いを続けられている百合子さまの体調を心配し、「お体に差し障りがないように」という趣旨のお気持ちを、11日に宮内庁の名川弘一皇室医務主管を通して伝えられた。

 側近によると、両陛下は三笠宮ご夫妻がお疲れではないかということを、ご夫妻の長男の寛仁親王殿下が6月6日に亡くなられたころから心配されていたという。

今週は、音楽関係のご公務が目立つ1週間だった。皇后さまは9日夜、今年5月に98歳で死去した音楽評論家で文化勲章受章者、吉田秀和さんの「お別れ会」に、グレーの服で臨席された。吉田さんはクラシック音楽評論の第一人者で、バロックから現代音楽まで幅広い分野を豊かな表現で論じた。水戸室内管弦楽団の創設者で、水戸芸術館の館長も務めた。

 吉田さんはかつて、著書「永遠の故郷」の中で、「あるとき、ある方にお目にかかった」話を書いている。

 この方と音楽の話をすると、自分が考えていることとあまりに一致するため驚き、「本当に音楽がお好きなのだと感じた」のだという。名前は書かれていないが、宮内庁の側近によると、「ある方」とは皇后さまのことで、「吉田さんは音楽の深いところで皇后さまに(共感し)、エッセーをつづった」(側近)のだという。

 お別れ会では作家の丸谷才一さんからの追悼の言葉の録音が流されたほか、吉田さんの生前の様子が映されたビデオが上映された。

 献奏では、指揮者の小澤征爾さん(76)が今年1月以来となる指揮を執り、水戸室内管弦楽団が「G線上のアリア」を演奏。その鬼気迫る演奏に会場からはすすり泣く声が聞こえた。皇后さまは故人をしのび静かに会場を後にされた。

 皇后さまは12日、東京都渋谷区のBunkamuraオーチャードホールで、小児がん征圧キャンペーン・チャリティーコンサート「生きる2012~小児がんなど病気と闘う子供たちとともに~」を鑑賞された。皇后さまは9日のコンサートとはうってかわり、華やかなピンク色の洋服を身につけられていた。

チャリティーコンサートには森山良子さんや南こうせつさんらが出演。南さんは「うちのお父さん」を歌いながら、「手拍子をしてください」と会場に声をかけた。続いて「リンゴの唄」を歌うと、観客も手拍子に合わせて歌い始め、会場全体での合唱となった。皇后さまも笑顔で手拍子をしながら、歌っているご様子だった。

 会場から帰る際には、皇后さまは見送りに来た人に言葉をかけてふれ合い、車に乗ってからも手を振って応えられた。

 皇太子さまは8日、学習院創立百周年記念会館正堂(東京都豊島区)で「学習院OB管弦楽団第65回定期演奏会」に出演、ビオラを演奏された。

 皇太子さまはリムスキー=コルサコフの「スペイン奇想曲」、ラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」の2曲をほかの団員とともに演奏された。団員と言葉を交わしたり、笑顔を見せたりし、演奏会を楽しんでいるご様子だった。当初は、演奏後は続けてプログラムを客席で鑑賞する予定だったが、当日の三笠宮さまのご体調などを考慮し、見送られた。

 宮内庁は10日、「いまだに授業参観『子離れ』できない雅子さま」と題して、サンデー毎日7月22日号に掲載された記事の一部が「事実無根」だとする見解をホームページに掲載した。

 記事では、「初等科のある保護者」の発言をもとにしたとして、皇太子妃雅子さまが現在も「週に2、3回」のペースで、敬宮愛子さまが通われている学習院初等科に来て、貴賓室で過ごされている-という内容を書いている。

宮内庁ではこの部分について、「東宮大夫の記者会見などでも言及しているとおり今年に入ってからは妃殿下のお付添いは無く、記事は全くの事実無根です」と説明。記事の別の部分1カ所についても事実に反すると指摘した上で、「厳重に抗議するとともに、訂正を求めました」と記している。

 産経新聞の取材に対し、サンデー毎日の潟永秀一郎編集長は「(1)本記事では『お付き添い』があったとは書いておりません。あくまでも、愛子さまの学校滞在時間帯に雅子さまが初等科にお出ましになり、貴賓室等で過ごされているという取材結果に基づいて書いており、事実無根との指摘はあたらないと考えます(中略・もう1カ所の指摘についても取材を経ており、「憶測でない」と説明)(2)宮内庁に対しても、近く当編集部として以上の見解を回答し、理解を得たいと考えています」と書面で回答した。

 今週は宮内庁の小町恭士東宮大夫の定例会見はなかったが、取材に対し、東宮職は愛子さまのご滞在時間帯に、雅子さまが学校に「お出まし」になっている事実もないとしている。

 


各宮家は今週もさまざまな公務を果たされた。

 秋篠宮ご一家は11日、東京都港区の赤坂御用地内の宮邸で、パラグアイにある日本パラグアイ学院の日本研修旅行参加の児童、生徒とお会いになった。ご一家5人で「ご公務」に臨まれるのは非常に珍しい。

 秋篠宮さまは9日、東京農業大学厚木キャンパス(神奈川県厚木市)で講義をされた。13日には福岡県で開かれる「生き物文化誌学会第10回学術大会」に出席されるため、羽田空港から同県に出発された。

秋篠宮妃紀子さまは9日、宮邸で「平成24年度『ストップ結核アクション研修-効果的な結核対策実施に向けたオペレーショナルリサーチ強化コース-』」の研修生と懇談された。10日には明治記念館(港区)で、日本学術振興会の「平成24年度特別研究員-RPD研究交流会」に出席された。

 常陸宮ご夫妻は13日、21_21DESIGN SIGHT(港区)で、企画展「テマヒマ展〈東北の食と住〉」を鑑賞された。

 常陸宮妃華子さまは12日、日本橋三越本店(中央区)で、「第54回慈彩会展」を鑑賞された。

 高円宮妃久子さまは10日、59歳の誕生日を迎えられた。7日には、国立新美術館(港区)で「大エルミタージュ美術館展 世紀の顔・西欧絵画の400年」をご覧になった。11日には宮邸で、ロンドン五輪のフェンシング競技出場選手らにお会いになった。