拉致被害者支援、ブーニンがコンサート。
めぐみさんが好きなシューマンの協奏曲演奏。
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/120630/ent12063007330001-n1.htm
ドイツと日本を拠点に活動しているモスクワ出身のピアニスト、スタニスラフ・ブーニン(45)が7月1日、横浜みなとみらいホール(横浜市西区)で開かれる北朝鮮拉致被害者救済のチャリティーコンサートに出演する。昨年7月に予定されていたが、東日本大震災のため延期されていた。
ブーニンは19歳でショパン国際ピアノコンクールで優勝。来日し、端正なルックスと卓越した演奏技術で「ブーニン・ブーム」を生み出した。
3年後の1988年、個人の演奏活動や収益が統制されていたソ連から自由を求め、西ドイツに亡命。現在は、当時取材を通じて知り合った妻の栄子さんと長男と家族3人でドイツで暮らし、日本と行き来している。
ブーニンは阪神大震災や、東日本大震災など災害の際に、度々慰問のコンサートを行ってきた。拉致問題については「拉致はもともとソ連がスターリン時代から行っていたことであり、北朝鮮が行ったことはソ連に根が深い。小さな子供を連れ去ることは、とても耐え難いことだ。被害者が拉致されてからもう何年もたっているのに、私たちは何もできない。こういう状態を、残念ながら私が生まれた国(ソ連)は作ってしまった」と沈痛な面持ちで話す。
拉致被害者の横田めぐみさんの父、滋さん(79)と母、早紀江さん(76)とは2年前に出会った。「明るく振る舞ってはいたが、隠せない悲しみが伝わってきた」と言う。
チャリティーコンサートでは、ベルリン交響楽団とともに、めぐみさんが好きなシューマン作曲の「ピアノ協奏曲 イ短調作品54」を演奏する。「この曲は人々を祝って終わる。数小節の中に人生の素晴らしさが入っており、人々を救うものだ。それを表現することが私の任務だと思う」と語った。
当日は横田さん夫妻もゲストで登壇。バイオリニストの天満敦子さんらが共演する。収益の一部は「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」の活動に寄付される。S席1万3千円など。
問い合わせは神奈川芸術協会(電)045・453・5080。
(織田淳嗣)