サントリー、青島との提携を発表。
製販の合弁設立、上海と江蘇省に特化。
サントリーホールディングスは5日、中国ビール大手の青島ビール(山東省)と折半出資で合弁会社を設立すると発表した。年内の設立を目指す。上海と江蘇省に特化し、「三得利(サントリー)」「青島」などのブランドで、ビールを共同生産・販売する。
合弁会社の資本金など詳細は今後詰めるが、両社の工場など生産部門を集約した「事業合弁会社」、販売部門を集約した「販売合弁会社」をつくる。サントリーの投資額は約180億円。
サントリーは、上海と周辺のみでビール事業を展開し、上海ではシェア33%を占める最大手だが、上海北側の江蘇省は攻めあぐねていた。
一方、青島ビールは中国国内第2位のシェア。中国全土に販売網を持つが、上海ではサントリーに負けていたことから、サントリーに提携を打診したという。
両社を合わせると、上海と江蘇省エリアのシェアは30%程度になり、「5、6年後には50%程度に引き上げたい」と意気込む。
サントリーはこれまで単独で事業展開してきたが、中国国内で小規模のビール会社の集約が加速し、競争が激しくなる中、地元大手と提携して市場を速やかに獲得する方が得策と判断した。
青島ビールはアサヒグループホールディングスが約2割を出資し、提携関係にあるが、今回の契約では、上海と江蘇省で青島の生産・販売網を利用できるのはサントリーだけとなっている。