(宮内庁発表分/29日・火)
【午後】
陛下 ご執務(皇居・御所)
陛下歌碑、がれきから発見。岩手・大槌、復興の象徴に。
天皇陛下が岩手県大槌町を訪問した際に詠まれた短歌を刻んだ歌碑が今月初め、同町のがれきの中から見つかっていたことが29日、分かった。東日本大震災の津波で行方不明になっていた。関係者は「復興の象徴になる」と喜んでいる。
歌碑の一首は「放たれしまつかはの稚魚は大槌の海の面近くしばしただよふ」。天皇、皇后両陛下が平成9年10月、大槌町で開かれた「全国豊かな海づくり大会」に出席し、マツカワやヒラメの稚魚を放流したときのことを詠み、大槌町が10年3月、大会会場に造った公園に碑を建てた。
今月初め、うずたかく積まれたがれきの中で、処理業者が幅約3.5メートル、高さ約1.5メートルある歌碑を発見。大きな破損はなかった。
海づくり大会当時、担当係長だった碇川豊町長は「町民一丸で両陛下を迎え、形になった歌碑。再び町民一丸となり震災から乗り越えるシンボルにしたい」と話した。
がれきの中から見つかった天皇陛下の短歌を刻んだ歌碑=29日午後、岩手県大槌町