生き続ける日本人の信仰の証し。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 










【消えた偉人・物語】「ににぎのみこと」





平成20年改定の学習指導要領が、小学校において昨年4月から全面実施となった。その国語科低学年に「昔話や神話・伝承などの本や文章の読み聞かせを聞いたり、発表し合ったりすること」があげられ、「神話」が教材例として示されたことが注目される。

 これによって昨年度から使用されている各社の教科書に、神話が登場することになった。5社中4社が「いなばの白うさぎ」を載せているが、これからもっと多彩な神話をとりあげてほしいものだ。わが国の神話は皇室との関係が深いだけに、たとえば戦前の国定国語教科書の「ににぎのみこと」(第5期)のような話を増やすべきだろう。

 「ににぎのみこと」は、次のような書き出しで記されている。

 「天照大神は、ににぎのみことに、『日本の国は、わが子わが孫、その子その孫の、次々にお治めになる国であります。みことよ、行ってお治めなさい。おだいじに。天皇の御位は、天地のつづくかぎり、いつまでもさかえませうぞ。』と仰せになりました。さうして、御鏡に御玉と、御剣をおそなへになって、みことにお渡しになりながら、『この鏡は、わがみたまとして、だいじにおまつりなさい。』と仰せになりました」

ここに登場する「ににぎのみこと」とは、天照大神の孫にあたる神様である。そして、「ににぎのみこと」のひ孫が初代天皇の神武天皇である。つまり天照大神は皇室のご祖先の神様なのである。

 「ににぎのみこと」に与えた右の大神のお言葉は、「天壌無窮」「宝鏡奉斎」の神勅と呼ばれ、古来尊ばれてきた。そして、「ににぎのみこと」が授かった御鏡(八咫鏡(やたのかがみ))、御玉(八坂瓊曲玉(やさかにのまがたま))、御剣(天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ))は、三種の神器といわれる皇位の御証(みしるし)になる神宝である。

 御鏡は皇大神宮、御玉は皇居、御剣は熱田神宮に、それぞれ安置され祭られている。このようにわが国の神話は単なる伝承や作り話ではなく、千数百年にわたって伝えられ今も生き続ける日本人の信仰の証しというべきものなのである。

                       (皇學館大学准教授 渡邊毅)




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                           尋常小学修身書巻五(昭和13年発行)の「我が國」