(宮内庁発表分/11日・金)
【午前】
両陛下 黒田清子・臨時神宮祭主ごあいさつ《神宮祭祀(さいし)ご奉仕につき》(皇居・御所)
【午後】
陛下 ご執務(御所)
「震災支援に感謝伝えたい」 陛下、訪英前にご感想。
天皇陛下は11日、英国のエリザベス女王の即位60年を記念した午餐(昼食)会に出席するため、皇后さまと16日からロンドンを訪問するのに先立ち、宮内庁を通じて「ご感想」を発表された。昭和28年に昭和天皇の名代として女王の戴冠式に出席したことに触れ、「それからほぼ60年、女王としてのお務めを今もお元気に果たしていらっしゃる女王陛下に、この度お祝いをお伝えする機会を持てますことを誠にうれしく思います」とつづられている。
東日本大震災の際、英国から救援隊派遣やチャリティー活動などを通じた支援が行われたことに対しては、「関係者とお会いし、私ども、そして日本国民の感謝の気持ちを伝えたいと思います」と述べられた。陛下は2月に心臓手術を受けたが、運動を通したリハビリに努めているとし、現在のご体調を「健康を取り戻してきているように感じています」と説明されている。
英国ご訪問に当たり天皇陛下のご感想(全文)
この度、エリザベス二世女王陛下より、即位60周年に当たり、各国の君主を招いて催す午餐会に御招待を頂き、皇后と共に英国を訪問することになりました。ここに女王陛下の御招待に対し深く感謝いたします。
女王陛下の戴冠式が行われたのは、戦後、日本との平和条約が発効した翌年、1953年6月のことでした。当時19歳の私は、昭和天皇の名代として式に参列し、その機会に欧米諸国を訪問いたしました。様々なことを学び、経験した旅でしたが、戦争により荒廃した国土から訪れた者として、訪問した多くの国の人々が豊かに生活していることに胸をつかれ、そのことが深く心に残りました。当時の英国の対日感情は、厳しい状況にあると聞いており、事実、英国の一地域においては訪問が受け入れられなかったような事態もありましたが、チャーチル首相始め、知日英国人、在英大使館員などの尽力により、私自身はそのような雰囲気をあからさまに感じるようなことに遭遇することはありませんでした。関係者の心配りによるものであったことと思います。戴冠式では女王陛下を始め、英国の王族、外国からの代表とお会いし、興味深く、楽しい時を過ごすことができました。それからほぼ60年、女王としてのお務めを今もお元気に果たしていらっしゃる女王陛下に、この度お祝いをお伝えする機会を持てますことを誠にうれしく思います。この時の戴冠式に出席しておられた外国からの代表で、私と同じく、この度再びお祝いの席に出席される方は、ベルギーの現国王アルベール二世陛下お一方と聞いています。この時、ボードワン国王陛下の名代として参列しておられたアルベール陛下は18歳、私は19歳という、参列者の中でも最も若いうちの2人でした。この度午餐会に出席なさる方々には、これまでに日本や、それぞれの国でお会いした方が多く、その方々との旧交を温めることも楽しみにしています。
今回の旅行に先立ち、この2月に心臓の手術を受けたことで、多くの国民に心配を掛けました。沢山の人々が心を寄せ、お見舞いの気持ちを表してくれたことに深く感謝しています。現在運動を通してリハビリに努めているところですが、健康を取り戻してきているように感じています。
この度訪れる英国からは、東日本大震災に当たり、まず救援隊が派遣され、その後も、様々なチャリティ活動を通じて被災者への支援が行われてきました。訪英に当たり、関係者とお会いし、私ども、そして日本国民の感謝の気持ちを伝えたいと思います。