くじらの町のふるさと教育。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 









【都道府県 伝統の教え】和歌山県





和歌山県太地町は古式捕鯨発祥の地だ。捕鯨で生計を立てる家庭も多く、太地小学校では長年、捕鯨にまつわる教育が続いている。

 同校では低学年は「生活科」で、町にある「くじらの博物館」の学芸員と共同の授業が行われる。実際に博物館で飼育された鯨やイルカに触ったり、絵を描きながら親しんでいく。

 3、4年生以降は総合の時間を使い、鯨の生態や捕鯨の歴史を掘り下げて学ぶ。5、6年生になると、捕鯨と食文化の学習や「くじら踊り」の練習などを体験。これからの捕鯨なども学ぶ。

 同町は捕鯨との縁が深い。日常的に鯨肉が売られる「くじらの町」だけあって、学校給食でも月に一度は「鯨の竜田揚げ」が登場する。町にゆかりの深い大阪の寺院を訪れ、そこで身につけた「くじら踊り」を奉納するのも、修学旅行のさいの貴重な体験行事となっている。

 町には反捕鯨を掲げる団体が訪れたり、穏やかではない出来事も現実に起きている。捕鯨をめぐる国際社会の無理解や誤解とどう向き合うか。デリケートな悩みを抱えながらも、捕鯨は太地の誇りでもあり文化でもある。子供にはまずそうしたことにふれる教育が行われている。