小沢一郎の隠し子スクープ。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 









【花田紀凱の週刊誌ウォッチング】

小沢一郎の隠し子スクープの提案理由は?





小沢判決の日、タクシーに乗ったら運転手さんが熱烈な小沢総理待望論を喋(しゃべ)り出した。いちいち反論してるうちにだんだん腹が立ってきて、「不愉快だからもう降りる!」。

 途中で下車してしまった。

 なぜ、これで小沢一郎民主党元代表が「真っ白」だと言えるのか。証人喚問をやるべきだ。

 今週も『週刊文春』(5月3日・10日ゴールデンウィーク特大号)が絶好調。トップの右柱が「驚愕(きょうがく)スクープ 小沢一郎に隠し子がいた!」。左柱が「母・山口百恵を語る 三浦祐太朗独占告白」。

 裁判とは直接関係ないが、このスクープ、いちばん“驚愕”したのは小沢元代表自身だろう。

 母親はテレビのレポーターやナレーターをしていた女性で小沢元代表との接点は〈小沢が幹事長になった前後に行われたパーティー〉。

 90年出産。92年末〈小沢と親密な関係にあった永田町の料亭「A」の若女将〉が〈三歳の男の子を突如養子として引き取り、育て〉たという。

松田賢弥さん(ジャーナリスト)の取材だけに行き届いていて、ちゃんと母親にも当てているのはさすがだ。

 最初〈「嘘八百です。全然関係ないです。そんなことを調べて何が面白いんですか?」〉と余裕ある口ぶりだった母親。固有名詞を出したとたん〈「いや、ちょっと、わからないです。私の方からは、一切お答えすることはできません」〉と繰り返すばかりだったという。

 みごとなスクープだが、提案理由(なぜ、今、この記事を取り上げるかという理由)が〈家族関係や親子の繋(つな)がりをバラバラにする人間に、この国を任せることができるのだろうか〉はやや苦しい。笑った。

 男の顔は履歴書と言ったのは大宅壮一さんだが(それを受けて吉行淳之介さんが「女の顔は請求書」と)、人間の顔くらいおもしろいものはない。

 『アサヒ芸能』(5・3-10GW特大合併号)の袋とじ「保存版2012『ニッポンの親分』名鑑」を眺めながら、つくづくそう思った。

                   他誌については次回。(『WiLL』編集長)