(宮内庁発表分/26日・木)
【午前】
両陛下 東京スカイツリーご視察(東京都墨田区)
両陛下 墨田区長より説明ご聴取
《東京スカイツリー完成に伴う街づくり、物づくりの現状につき》(同区役所)
【午後】
両陛下 勤労奉仕団ご会釈(皇居・蓮池参集所)
陛下 ロシア、シンガポールの新任駐日大使の信任状捧呈式(皇居・宮殿)
両陛下、スカイツリーご視察。
天皇、皇后両陛下は26日、開業を5月22日に控える東京都墨田区の東京スカイツリー(高さ634メートル)を視察された。あいにくの曇り空となったが、両陛下は2カ所ある展望台のうち、高い方の第2展望台「天望回廊」までエレベーターで上がり、地上450メートルからの眺望を楽しまれた。
両陛下は時折、身を乗り出すようにしながら窓の外を熱心にごらんに。東京タワーや浅草の浅草寺などを見つけ、話題にされた。
陛下はスカイツリーの構造について質問を繰り返された。また、電波塔として活用されると聞くと、「東京タワーはどうなるんですか」と尋ねられた。
工事を担当した建設会社の幹部に対しては、「(建設中に)ちょうど震災があったから、ずいぶん心配されたんでしょうね」と声をかけ、工事関係者にけが人が出なかったと聞くと、「本当によかったですね」と話された。
両陛下は3月に視察される予定だったが、陛下の心臓手術の影響で延期されていた。昭和天皇も昭和37年、営業開始後の東京タワーを見学されている。
東京スカイツリーの天望回廊から東京の街並みをご覧になる天皇、皇后両陛下
=26日午前、東京都墨田区(代表撮影)
両陛下が「火葬」の意向示される。
宮内庁「合葬」も含め検討へ。
宮内庁の羽毛田信吾長官は26日の定例会見で、江戸時代初期から土葬で行われてきた天皇、皇后の埋葬方法を、「天皇、皇后両陛下のご意向を踏まえ、火葬に変更する方向で検討する」と発表した。両陛下をご一緒に埋葬する合葬についても、「視野に入れて検討する」としている。
葬送のあり方について陛下のお考えが明らかになるのは異例。実現すれば、約350年ぶりに天皇、皇后の埋葬方法が変更されることになる。
説明によると、両陛下はかねて、東京都八王子市の武蔵陵墓地にある昭和天皇陵と香淳皇后陵が平行に隣接していないのを見て、「用地に余裕がなくなっているのではないか」とする感想を述べられていた。
こうした用地面の懸念と、火葬が社会で一般化していることを合わせて考え、自らの葬送は「火葬が望ましい」とおっしゃっているという。全体的な葬送の営み方についても、「極力、国民生活への影響の少ないものとするように」との意向を示されている。皇太子さま、秋篠宮さまも説明を受けておられるという。
羽毛田長官は、今回の件は、長年にわたって両陛下が側近らに意見を示されていたことだと説明。「遅きに失したという思いもある」とし、今後1年程度かけて宮内庁で具体的な検討を進めるとした。
火葬場所については、新たな施設を作る選択肢を挙げた上で、「ふさわしい場を慎重に考えなければならない」と述べた。
宮内庁によると、室町時代中期以降、崩御した天皇は火葬されることが続いたが、承応3(1654)年の第110代・後光明天皇以降は土葬されている。皇族については火葬されている。
両陛下「小規模、簡素に」 火葬ご意向
宮内庁「新しい葬送」模索へ。
天皇、皇后両陛下のご意向に沿い、土葬が慣例化していた天皇、皇后の埋葬方法を宮内庁が変更し、社会で一般化している火葬を検討することになった。同庁は、国民とともに歩まれる両陛下のお気持ちを尊重した、時代に合った「新しい葬送」のあり方を模索する方針だ。
両陛下は、昭和天皇、香淳皇后、大正天皇、貞明皇后が別々に埋葬されている武蔵陵墓地(東京都八王子市)に埋葬される見通しとなっている。
武蔵陵墓地は約46万平方メートルの広大な面積だが、地形の制約があるため、立地上の条件を満たした過去と同規模の陵(埋葬場所)を2カ所造るのは容易ではないとする意見もあった。
両陛下はご自身の陵について、規模を含め、可能な限り簡素なものとすることが望ましいと考えておられるという。火葬や合葬が実現すれば天皇・皇后陵の縮小につながり、総工費も大幅に減る。「国民生活への影響の少ないものとするように」という、葬送についての両陛下のお考えとも一致する。
ただ、宮内庁幹部の中には「お立場にふさわしい儀式、陵のあり方は踏まえなければいけない」との意見もあり、そのバランスも検討のポイントとなる。
宮内庁によると、室町時代中期以降、崩御した天皇は火葬されることが続いたが、承応3(1654)年の第110代・後光明天皇以降は土葬されている。一方、皇族は火葬されている。