【皇室ウイークリー】(226) | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 






陛下が葉山で「執務なし」のご静養。

雅子さまのご体調で「異例」の発表。







 天皇、皇后両陛下は5日、静養のため葉山御用邸(神奈川県葉山町)に入られた。9日に帰京される予定。陛下は帰京後に胸水の状態などについて診察や検査を受ける予定で、改善が進んでいれば公務への本格復帰が検討される。

 

 通常はご静養中でも、毎週火曜・金曜に開かれる閣議関係の書類を決裁する執務(公務)を御用邸で行われるが、現在は皇太子さまが国事行為の臨時代行をされているため、行われない。側近によると、今回のような「執務なし」のご静養は、過去にはほとんど例がないという。

 

 陛下は引き続きリハビリに取り組んでおり、最近ではお住まいの御所周辺の散策を1日2回、計1時間ほどされることも多かったという。

 


出発前には多くの公的な活動も行われた。

 


 葉山出発に先立つ5日午前には、両陛下で宮内庁総務課長から宮城県ご訪問について説明を受けた後、神武天皇祭皇霊殿の儀(3日)などの際に奉仕した賢所勤労奉仕団へのご会釈にも臨まれた。

 午後には東京都港区で、伊勢神宮(三重)で来秋行われる式年遷宮を祝う演奏会を鑑賞された。会場に姿を見せたときと、出るときには大きな拍手が起こり、両陛下で手をふって応えられた。

3月31日には皇太子ご一家からお見舞いを受け、皇后さまも加わって昼食を一緒に取られた。愛子さまのお見舞いは初めてとなられた。

 その後には、両陛下で皇居・東御苑にある三の丸尚蔵館を訪問し、皇后さまの喜寿を記念して開催中の特別展「紅葉山御養蚕所と正倉院裂復元のその後」を鑑賞された。

 宮中祭祀の「神武天皇祭皇霊殿の儀」が3日、皇居・皇霊殿で行われた。静養中の陛下は臨まれず、掌典長が代拝した。皇后さまと皇太子さまが拝礼され、秋篠宮ご夫妻と長女の眞子さま、常陸宮ご夫妻、高円宮妃久子さまの次女、典子さまが参列された。

 年度が変わるのに伴い、皇族方が新たに務める役職についての発表もあった。

 

 秋篠宮さまは1日から、微生物学や医学の研究助成を行う公益財団法人「日本ワックスマン財団」の名誉総裁に就任された。宮内庁では「秋篠宮さまは理学博士であり、大学での講義などを通じ、学術分野に幅広く関わっておられる」などと説明している。これまで三笠宮さまが昭和33年から名誉総裁を務めていたが、96歳のご高齢ということもあり、退任の意向を示されていたという。

 

 また、寛仁(ともひと)親王殿下の長女、彬子(あきこ)さまは1日、京都市にある勤務先の立命館大衣笠総合研究機構の特別招聘(しょうへい)准教授と、同市の慈照寺(銀閣寺)研修道場美術研究員に就任された。

 宮内庁によると、彬子さまは今後、主に慈照寺で勤務される。研修道場では会員向けの講座の企画・運営などを行っており、彬子さまは専門とする美術の知識を生かし、東山文化の研究や、海外への発信などに携わっていかれるという。立命館大の准教授としては、当面講義をされる予定はないという。



 一方、宮内庁は1日、皇室の懸案事項などについて、天皇陛下の相談役を務める同庁の参与として、元侍従長で侍従職御用掛を務める渡辺允氏(75)と、元警察庁長官の国松孝次氏(74)を起用した。元駐米大使の栗山尚一氏(80)は31日付で参与を退いた。

 参与は1人増え、4人となった。宮内庁によると、参与の定数は決まっておらず、懸案が多い最近の情勢をかんがみて決まったという。

宮内庁の小町恭士東宮大夫は6日の定例会見で、最近の皇太子妃雅子さまの体調について、「お疲れがたまられているために体調が崩れやすくなっていらっしゃると判断し、当面はお疲れを取っていただくことを優先していただきたいと考えます」とする東宮職医師団の見解を公表した。

 


 雅子さまのご体調に関する医師団見解は通常、12月9日の誕生日に合わせて年1回発表されるのが通例となっており、今回の発表は異例といえる。

 今回は、雅子さまに「体調の波がみられる」とした最近の小町氏の発言が広く報道されていることや、4日に雅子さまが宮内庁病院で久しぶりに健康診断を受けられたため、改めて正確な現状を公表することになったという。健康診断では、「大きな問題は見付からなかったとの報告を受けております」(小町氏)という。

 見解は「今後十分な休養を取りながら体調を整えられ、従来のご治療の基本ラインに沿って、私的なご活動から徐々にご活動の範囲を広げていっていただきたいと考えております」「妃殿下のご回復のためには、温かく見守られているという環境がとても大事ですので、みなさまにおかれましてはこの点をご理解のうえ、今後とも温かく見守っていただきますように、この機会に改めてお願い申し上げます」としている。

 異例の発表の「真意」を探ろうと、記者側からは質問が相次いだが、小町氏は、これまで公表していなかった内容は含まれておらず、内容を改めて「整理」しただけだと説明。今後、長期ご静養などの新しい対応が想定されているわけではないとした。

また、「お疲れ」がたまっている理由については、敬宮愛子さまの登校問題で昨年後半まで学校に付き添ったり、さまざまに気を配られたりしたことなどが影響しているとする考えを示した。



各宮家は今週もさまざまな公務を果たされた。

 


 秋篠宮ご夫妻と眞子さまは2日、お住まいの宮邸で宮内庁と皇宮警察の人事異動者ご会釈に臨まれた。

 

 トンガのシアオシ・ツポウ5世国王の葬儀に参列するため、同国を訪れていた常陸宮ご夫妻は3月31日夕、帰国された。新国王夫妻と会い、天皇陛下からの弔意を伝えられたという。4月1日にはご夫妻で皇居・御所を訪問し、両陛下に帰国のあいさつをされた。

 

 常陸宮妃華子さまは2日、高島屋東京店(東京都中央区)で「FLOWER&SPACE いま-空間の花-そして 小原宏貴展」を訪問された。

 6日には常陸宮ご夫妻で、明治神宮文化館(東京都渋谷区)で「昭憲皇太后基金創設100周年 昭憲皇太后と赤十字展」をご覧になった。

 

 彬子さまは6日から、「第38回SIAフェスティバル」出席のため、北海道を訪問されている。5日に出発の予定だったが、風邪気味のため変更された。8日にお住まいの京都に戻られる。





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         「第62回伊勢神宮式年遷宮奉祝演奏会」の会場に到着された天皇、皇后両陛下

                        =5日午後、東京都港区のサントリーホール(代表撮影)