宇宙戦艦ヤマト38年ぶりリメーク。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 










「初代」に魅了された世代で製作






アニメブームの起点となった昭和49年の「宇宙戦艦ヤマト」が38年ぶりにリメークされ、「宇宙戦艦ヤマト2199」としてよみがえる。全体を7章に分け、4月7日から全国10カ所の劇場で第1章のイベント上映などが始まり、来年にはテレビ放映も予定。スタッフは第1作に魅了されてアニメ業界に入った世代が中心で、オリジナルを尊重しながら設定を見直し、魅力的な最新SFアニメに仕上がっている。

 ガミラス星人の攻撃で滅亡寸前の地球を救うため、はるかイスカンダル星へと旅立つヤマト。リメーク版では、マゼラン星雲にあるイスカンダル星への距離が14万8千光年から16万8千光年に改められるなど、最新の知見も含めて「理屈付けが可能な部分は徹底的に理屈付けを行った」とされている。

 監督はメカデザインのベテラン、出渕裕(いづぶち・ゆたか)(53)。「最初にヤマトを見たときは高校1年生。オファーは4年前だが、この30年近く、もし機会があれば、ヤマトの設定の矛盾をこうすればクリアできるのではと考えていた」と笑う。

 たとえば、オリジナルでは冥王星に海があり、ヤマトはそこで死闘を繰り広げる。極寒の星に海はあり得ないが、「おかしな部分を取り払うことでつまらなくなるなら、それは何とか残したかった」と出渕監督。リメークではガミラス人が移住のために施した「惑星改造」で海が作られた-という設定だ。

戦闘シーンや地下都市の描写など、所々に「超時空要塞マクロス」「新世紀エヴァンゲリオン」といった後発の作品のイメージが重なる場面がある。出渕監督は「それは意図していないが、ヤマトを演出した石黒昇さん(今月20日死去)はマクロスの監督を務め、エヴァンゲリオンは庵野秀明監督の過去作品へのオマージュのかたまり。日本のアニメの“伝統芸”と呼べるものでは」と話す。

 オープニングの絵コンテは51歳の庵野が描き、音楽はオリジナルスコアを手掛けた宮川泰の長男、宮川彬良(あきら)(51)が担当した。主力スタッフを主に50代が占めたことについて出渕監督は「ヤマトがなければみんなこの世界にいなかった。その原点をブラッシュアップすることで、十分、今に通じる作品になったと思うし、僕たちのリスタート(再出発)になる」と語った。

 同作は第1章を4月7~20日に新宿ピカデリーなど10館で限定上映し、劇場限定版ブルーレイ(8千円)を販売(通常版は5月25日、DVDとブルーレイが発売)。「ひかりTV」でのネット有料配信も行われる。

                                     (鵜野光博)





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         「ワープの準備などのプロセスをきちんと見せるのがヤマトらしさ」と話す出渕裕監督