山本太郎と云う俳優は、名前すら聞いたことがなかったし、演技している場面も見た記憶がない。唯一この人を見たのは、反原発運動家連中がわあわあ云いながら何処かの県庁か市役所になだれ込むニュースだった。風采のぱっとしない薄汚れたお兄ちゃんたちの群れに、ひとりだけ背のすらりとした二枚目風がいる。ああ、なるほどねと思った。やっぱり俳優を生業とするだけはあってカッコいい。でも、もったいないことに発言内容は酷くカッコ悪い。
報道によれば、山本さんは東京の放射能汚染度がよくわからないから、大阪に引っ越すと云う。聞けば1年近くも前に俳優を廃業していたのだから、さっさと引っ越せばよかったのに、なぜ今まで東京にぐずぐずしていたのだ。それに放射能汚染だけが問題なら、信州の山奥とか北海道の果てとか他にもチョイスがある筈だ。なぜ大阪なのだ。梅田の駅前は交通量も多いし、普段から放射線量が高いらしい。何だか間抜けな感じがする。
不思議なのは、山本さんがそれほど放射線を気にしながら、正しい知識を得ようとしないことだ。世界各地には極めて高い自然放射線地域があり、例えばイラン のラムサール地方は年間10ミリシーベルト で、観測上の最高値は260ミリシーベルト もあったそうだ。それでも誰も癌にならず元気に暮らしている。宇宙 飛行士は大気圏外で年間400ミリシーベルト くらい浴びるし、ラジウムの瓶が床下からごろごろ出てきた世田谷のお婆ちゃんの被曝量は何と宇宙 飛行士並だった。しかも30年間ぶっ続けなのに健康でご長寿だ。放射線医学の権威が、福島原発事故による被曝で病気なんて有り得ないと断言するのは、頷ける話なのだ。山本さんの周囲には、こういうアドバイスをしてやる人間が皆無なのだろうか。
本人は孫正義 に反原発のツイートをして涙を流したそうだから、もともと情緒不安定なのか、あるいは辛い過去があって社会への反抗心をずっと抱えてきた可能性もある。グリーンピース の支持者だと云うから、左巻きの思想に共鳴する体質に違いない。何があろうと本人の責任だ。しかし将来有望な若い俳優さんが、反日勢力に騙されて広告塔みたいに使われているのを見ると哀れでならない。
山本太郎が反原発ならアタシも反原発よ、みたいな女性ファンを増やすのが、反日勢力のマーケティング戦略かも知れないが、たぶん失敗するだろう。だって反原発は何ら知性を感じさせないし、ファッショナブルでもない。リッチで美しい雰囲気は皆無だ。感性の鋭い若い女性に相手にされるワケがない。それに反原発と聞けば、笑顔の爽やかな二枚目俳優より以前に、菅直人のひねくれた顔を思い出してしまう。反原発=馬鹿で不細工で悪党、と云う世間のイメージを覆すのは難しい。