【都道府県 伝統の教え】山形県
山形市の小学校掲げる「青い目の人形の精神」
明治22年に創設された山形市の第一小学校。伝統校にふさわしく「奨学の精神」「敬学の精神」「青い目の人形の精神」の3つの精神が掲げられている。
「青い目の人形」は戦前に米国との親善の証しとして日本の全国各地の幼稚園、小学校に贈られた。戦時中、「敵性人形」として多くが焼却されたが、「人形に罪はない」として隠した学校もあった。今は外形が傷み、汚れも著しくなった人形だが、友情の証しとして毎年、ひな祭りの時期にひな人形と学校のひな壇に飾られる。
たとえ国家同士が戦争でも、一人一人の友情はそれを超えた価値あるものとして、胸に刻んで大切にすべきであるという教えだという。
同校では昭和22年に卒業生の篤志家の寄贈もあって充実した図書館教育を長年展開してきた。小学3年生以上の児童全員が一つ自分でテーマを決め、図書館を使い1年かけて研究を重ねていく。理科の自由研究もあれば、社会科の調べ学習もあるが、児童はテーマアップから徹底的に調べあげた内容を短くまとめ、さらにそれを発表する。
全員の発表内容は冊子にまとめられ、優秀者には賞状も。そのための財団法人もできており、児童の取り組みを支えている。総合学習が導入される以前から脈々と続く同校伝統の取り組みだ。