両陛下ご静養先に悠仁さまも。
彬子さまが「結婚」についてご発言。
宮内庁は1日、天皇陛下が11日に東京大学医学部付属病院(東京都文京区)で心臓の検査を受けられると発表した。
検査は、心臓を取り巻く冠動脈の内部の様子を、造影剤を使って調べるというものだ。陛下が運動をするなどして心臓に負荷がかかると、心臓に必要な酸素や栄養が行きわたらなくなる、「心虚血」の心配が依然としてあることが分かったためだ。
心虚血は動脈硬化などで血管の内部が狭くなることなどが要因とされる。陛下は昨年に受けた検査で、運動をすると心虚血の状態になることとともに、「ある程度の動脈硬化」があることや「一部の血管の内部が狭くなっている」ことが分かり、薬物治療などを受けられていた。
昨年の検査は今回と内容が同じで、検査日(2月11日)と、経過観察で病院に1泊するというところまで同じだ。だが、検査前の発表内容は、昨年と若干異なっている。
昨年の検査前は、陛下が「激しい運動」をされると「心虚血状態」になるという発表だったが、今年は「ある程度の運動負荷」をかけると、「心電図に若干の心虚血反応」がみられるということで、微妙なニュアンスの違いがある。
いずれにせよ、冠動脈の状態が1年たってどうなっているかは検査してみないと分からないため、11日の結果をまずは待つことになる。
発表翌日の2日には、両陛下は静養のため、予定通り葉山御用邸に入られた。午後4時すぎには、厚着に手袋をはめた姿でそろって御用邸裏の海岸に姿を見せ、うっすらと見える富士山や雄大な海を眺めた後、その場にいた約100人の人たちの一部と言葉を交わされた。
そのうちの1人、近所に住む平林典子さん(39)は、長男の暖人君(3)が1歳の誕生日を迎えた平成21年5月4日にも、この海岸で両陛下を迎えたという。このとき、暖人君が皇后さまに抱きついたことを聞いた皇后さまは、「よかったですね。健やかに大きくなられて」と喜ばれた。
陛下はサーフィンをしていたという男性に「波はどうでしたか」「真冬でもなさるんですね」などと話された。
翌3日には、秋篠宮ご夫妻と長男の悠仁さまも葉山御用邸に入られた。ちなみに「葉山御用邸」というのは1つの建物だけを指しているわけではなく、約9万6千平方メートルの土地(地域)全体を指しており、同じ御用邸におられても、両陛下や皇族方がどの程度交流したり、顔を合わせたりされているかは、宮内庁が発表しない限り、なかなか分からない。
土曜日の1月28日は、皇族方の研究者としての側面が注目される日となった。皇太子さまが学習院女子大(東京都新宿区)で「水と災害」に関連した講義をされたのに加え、寛仁親王殿下の長女の彬子さまが学習院大(豊島区)でシンポジウム「見せるアジア、見られるアジア」に出席して講演されたのだ。彬子さまの講演では、ご自身の結婚についての発言が飛び出す“サプライズ”があった。
皇太子さまのご講義は報道関係者に非公開で行われたが、彬子さまのシンポは一般の参加が自由。報道関係者を含めた100人以上が集まり、予定していた会場が満席となったため、大学の別の部屋をサテライト会場とし、スクリーンで中継する対応が取られた。
今月からは女性宮家の創設をめぐり、政府が有識者からの聞き取りを始めるが、彬子さまは8人おられる独身女性の成年皇族(内親王、女王)の最年長で、昨年12月に30歳になられたばかり。ご自身が注目を集める立場であることをふまえてか、講演では冒頭、結婚の噂が取りざたされていることに自ら触れ、「そういう(結婚)予定はありません」と明かされた。
彬子さまの講演は「海外における『日本』像の発信ー大英博物館の事例を中心に」。「聖(セイント)☆おにいさん」「宗像教授(のシリーズ)」など人気マンガの実名も挙げながら、リラックスした様子で約40分間話された。
一方、宮内庁東宮職によると、皇太子さまは発表で、水関連の災害が国際的な問題になっていることを指摘された。また、歴史に残る国内の津波を挙げながら、当時の被害や、人々の受け止めを話された。「東日本大震災以降、古い時代の災害に関する調査の重要性が議論されており、過去の史料を幅広く収集するとともに、考古学的な資料も集めることが、今後の研究には大切」とする話をされたという。
1月30日には孝明天皇例祭の儀が皇居・宮中三殿の皇霊殿で行われ、両陛下と皇太子さま、秋篠宮ご夫妻、常陸宮ご夫妻、高円宮妃久子さま、長女の承子さま、次女の典子さまが臨まれた。
各宮家は今週もさまざまな公務を果たされた。
秋篠宮さまは2日から3日にかけて山口県を訪問し、日本動物園水族館協会の「第56回水族館技術者研究会」に出席された。
秋篠宮妃紀子さまは1月31日、お住まいの宮邸で、国際難民支援会の会長らから同会の活動について説明を受けられた。
常陸宮ご夫妻は同日、宮邸で熊本県知事を接見された。
常陸宮妃華子さまは同28日、グランドプリンスホテル新高輪(東京都港区)で平成23年度の日本馬術連盟の表彰式、祝賀会に臨まれた。同31日には、高島屋東京店(東京都中央区)で「第43回現代女流書展」をご覧になった。
久子さまと典子さまは同28日、ホテルニューオータニ東京(東京都千代田区)で「平成24年衣紋道高倉流衣紋はじめの儀」に、久子さまは同30日、駐日英国大使公邸(千代田区)で「日本アジア協会年次総会」に出席された。
久子さまは3日、東京国際フォーラム(千代田区)で、「第66回洋らん展」開会式と内覧会に出席後、東京ドーム(東京都文京区)で「テーブルウェア・フェスティバル2012」の開会式と内覧会に出席された。
承子さまと典子さまは3日、サンシャインシティ文化会館(東京都豊島区)で「第61回関東東海花の展覧会」を鑑賞された。
静養先の葉山御用邸裏にある海岸を散策し、周辺住民らと歓談される天皇、皇后両陛下
=2日午後、神奈川県葉山町(小野淳一撮影)
シンポジウムで講演される彬子さま=1月28日、東京都豊島区の学習院大(代表撮影)