東宮大夫が雅子さま記事に「揚げ足取り」
黒木瞳さん「佳子さまがビックリ」
天皇、皇后両陛下は22日夜、東京都港区のサントリーホールで、小澤征爾さんが指揮する水戸室内管弦楽団の東京公演の後半部分を鑑賞された。
陛下が公的なご活動で皇居外に出たのは、昨年11月29日に東日本大震災消防殉職者等全国慰霊祭で日本消防会館ニッショーホール(港区)を訪問されて以来、約2カ月ぶり。今週は23、24両日にも両陛下での式典出席などがあり、陛下は3日連続で外出されることとなった。25、26、27日には、両陛下は皇居内の宮内庁病院で恒例の健康診断に臨まれた。
22日のコンサートでは、小澤さんは疲労の影響で前半の出演を取りやめ、曲目を変え、後半のみ約30分間にわたって指揮を行った。こうした演奏会では両陛下が鑑賞後、出演者らと懇談することが多いが、今回両陛下は小澤さんの体調を心配し、懇談の場に来ないで休むよう伝えられたという。
主催者側の関係者によると、両陛下は懇談の場で、事前に手元に届けられた演奏会の冊子に載っていた、楽団の「裏方」のとりまとめ役にあたる84歳のステージマネージャー、宮崎隆男さんが引退する記事のことを話題にされたという。両陛下は希望してわざわざ宮崎さんに会い、「長い間ごくろうさまでした」と労われたという。主催者側の関係者は、「ライトを浴びない人に対しても心を寄せていただいたことに驚き、感動した」と話していた。
両陛下は23日、東京都日の出町で、障害者の就労支援に取り組む社会福祉法人東京リハビリ協会「日の出リハビリ」を視察された。障害者がクリーニングの関連作業や、人工観葉植物の製作などの業務に従事しているところを視察し、陛下は「体のほうはどうですか」、皇后さまは「たくさんできましたね」などとそれぞれ声をかけられた。
両陛下は例年、12月の障害者週間に合わせて関連施設を訪問されている。昨年は陛下の体調不良の影響で、ご訪問を延期されていた。
24日には、両陛下で有楽町朝日ホール(東京都千代田区)で開かれた国立がん研究センター創立50周年記念式典に臨席された。陛下は、自身が平成15年に前立腺がんの手術を受け、今も治療を続けていることに触れ「がんを患う者の一人として、私自身も、今日のがんの医療の恩恵を深く感じています」と述べられた。
宮内庁東宮職の小町恭士東宮大夫は27日の定例会見で、「雅子さまが感染性胃腸炎から回復し『ご家庭のマネジメント』の日常活動を再開している、と小町氏が会見で言った」とする内容の週刊新潮2月2日号の記事について、「私にしてみれば揚げ足取りのような感じで心外。妃殿下も当惑されていると思う」と述べた。
小町氏は前回の定例会見(20日)で、回復された雅子さまが、ご一家の身の回りの「マネジメント」を徐々に再開しているとは確かに言ったものの、見出しと記事にあるような「ご家庭のマネジメント=家事」を指しているわけではないと説明した。
小町氏は雅子さまの「マネジメント」について、職員から報告を受けたり指示をしたりして調整することや、来客をどのように接遇するかを決めることなどが含まれるとし、「家庭内」にとどまる活動ではないと強調した。
また、今週は都内でも積雪を観測したが、皇太子ご夫妻の長女、敬宮愛子さまは赤坂御用地にある三笠山でソリや雪遊びを楽しまれたそうだ。
秋篠宮ご夫妻と次女の佳子さまは25日、有楽町朝日ホールで、2月4日公開の映画「日本列島 いきものたちの物語」の試写会に臨まれた。作品は知床、屋久島、小笠原など世界遺産を含む国内各地にすむ動物たちを2年半の撮影期間をかけて追った自然ドキュメンタリー。会場には小学生を連れた母親の姿が目立った。
佳子さまの隣には、映画でナレーションを務めた女優、黒木瞳さんが座った。黒木さんは、観賞後にご夫妻と佳子さまが笑顔で「感動しました」とおっしゃっていたことを明かした。映画中の佳子さまのご様子については「小さな生き物がパクッと食べられるとき、ビクッとされていた。また、胸が熱くなるシーンでは、手が顔に…感極まっていらしたのかもしれません」と話した。
黒木さんと出田恵三監督によると、秋篠宮さまは撮影方法に強い興味を持った様子で、映画後の懇談の場で「望遠レンズで撮ったんですか」「ヒグマがサケを捕るシーンはどうやって撮影したんですか」などと質問された。また上映中は、ナマズの研究者として知られ、水の生物に詳しい秋篠宮さまらしく、オオイカリナマコが出てきたとき、紀子さまと佳子さまに説明されていたという。
紀子さまは「ナレーションにすごく気持ちが入っていましたね」と黒木さんに話されたという。
宮内庁の羽毛田信吾長官は26日の定例記者会見で、週刊文春1月26日号に掲載された「美智子皇后『歌会始』に込めた皇太子夫妻への切なる思い」と題する記事について言及した。
記事では、皇后さまが歌会始で発表された御歌〈帰り来るを立ちて待てるに季(とき)のなく岸とふ文字を歳時記に見ず〉について、皇太子ご夫妻へのメッセージが込められているという「千代田関係者」の解釈を掲載した。「千代田」とは、皇居を指す言葉として使われることがある。
宮内庁は両陛下や皇族方が歌会始で発表される歌について、毎年、歌の背景を説明した資料を公表している。皇后さまの御歌についても以下のような背景説明がなされている。
〈俳句の季語を集めた歳時記に「岸」という項目はなく、そのことから、春夏秋冬季節を問わず、あちこちの岸辺で誰かの帰りを待って佇む人の姿に思いを馳せてお詠みになられた御歌。この度の津波で行方不明となった人々の家族へのお気持ちと共に、戦後の外地からの引揚げ者、シベリアの抑留者等、様々な場合の待つ人待たれる人の姿を、「岸」という御題に重ねてお詠みになっているようです〉
しかし、同誌の記事には、御歌の「待つ」という言葉の意味として、皇后さま自身が、皇太子さまが皇位継承者として皇室のあり方について決められることを待っていらっしゃる、という解釈を紹介している。
羽毛田長官は、侍従職がこの記事の内容を両陛下に報告した上で、「皇后さまはこのことについて、皇太子同妃両殿下へのメッセージを出すなどということはつゆほども思っておられない」と指摘。「皇室の大切な儀式でございます歌会始のためにお作りになられた御歌が、このように解釈されたことにつきまして、皇后陛下、さらには天皇陛下も悲しい気持ちのようであったというふうに伺っております」とコメントした。
各宮家は今週もさまざまな公務を果たされた。
秋篠宮ご夫妻は23日、宮邸で、外務省儀典総括官から進講を受けられた。26日には、宮邸で、日蘭協会理事と同事務局長から震災支援に関連し、説明を受けられた。27日、宮邸で、国際協力機構海外派遣専門家と懇談された。
秋篠宮妃紀子さまは21日、国立能楽堂(東京都渋谷区)で、第31回手話狂言・初春の会に臨まれた。
常陸宮ご夫妻は24日、東京会館(東京都千代田区)で、日仏会館「平成24年新年会」に臨席された。
高円宮妃久子さまは24日、宮邸で、バードライフ・インターナショナル事務総長らと懇談された。
「日本列島 いきものたちの物語」試写会に臨まれた秋篠宮ご夫妻と佳子さま。右は映画のナレーション
を担当した女優、黒木瞳さん=25日午後、東京都千代田区の有楽町朝日ホール(代表撮影)