吹けば飛ぶ53人の閣僚。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 









【from Editor】





「中井→柳田→仙谷→中野→山岡→松原」と聞いてピンときた人は、なかなかの政治通だ。答えは民主党政権発足後の拉致問題担当相の変遷。「菅→川端→海江田→玄葉→古川」とくれば、科学技術政策担当相ということになる。

 「鳩山→菅→野田」と続いた民主党政権の2年4カ月余りで6人の拉致担当相が誕生し、科学技術政策担当相にはすでに、5人が任命されている。先日の内閣改造で松原仁国家公安委員長・拉致問題担当相が兼務することになった消費者問題は、なんと7人目の担当大臣だ。

 試しに数えてみた。民主党政権発足後、閣僚になったのは計53人。なにせ2年4カ月の間に6回も内閣発足や改造を繰り返しているので、閣僚が大量生産されるのは当然といえば当然だが、途中で辞任した閣僚も7人に上る。このほか、参院から問責決議を受けた閣僚も4人いる。

 プロ野球でいうところの「日替わり打線」とでも言えば聞こえはいいが、これはチーム全体の選手層が厚いからこそ可能な戦法。調整不足の選手や2軍レベルの選手をスタメンで使えば、チームは負け戦を強いられる。

 一方で、民主党政権では人材のたらい回しも顕著だ。枝野幸男氏は行政刷新担当相から始まり、党幹事長→幹事長代理→官房長官ときて、現在は経済産業相。国土交通相→外相→党政調会長を歴任している前原誠司氏や、国家戦略担当相兼党政調会長から外相に就任した玄葉光一郎外相らは、くるくるとポジションを変えながらも常に政権中枢で要職を続けている。

いずれにせよ、民主党政権で「このポストといえばこの人」という存在がまだいない。これでは、特定分野での知識と経験を長年にわたって蓄積してきた官僚機構に太刀打ちできるはずがない。

 自民党政権には、いわゆる「族議員」が存在した。彼らは、得意分野(道路、文教、農水、郵政など)のポストをいくつも経験し、閣僚となって役人をコントロールした。その結果が、民主党が批判してきた「政官業の癒着」につながっていった面は否定できないが、逆に民主党政権のように閣僚が次々と交代していては、官僚にいいようにやられてしまう。これでは「政治主導の確立」などほど遠い。

 「歌手1年、総理2年の使い捨て」といったのは竹下登元首相だが、民主党政権の閣僚は吹けば飛ぶような存在と化している。


                                (副編集長 船津寛)



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民主党に人材は皆無・・・。