枝野経産相の姿勢を問う。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 










【主張】原発耐性検査





関西電力が実施した大飯原発3、4号機に対するストレステスト(耐性検査)の評価をめぐり、経済産業省原子力安全・保安院が「妥当」とする初めての判断を下した。停止している多くの原発の再稼働へ向けた一歩として歓迎したい。

 ストレステストは、東京電力の福島第1原発事故を受け、昨年7月に、菅直人政権が国内の原発に導入を義務づけた。どれだけの地震や津波に耐えられるかをコンピューターで解析する。

 関電は、津波なら想定の4倍に相当する11・4メートルまで安全性を確保できるなどと報告し、認められた。電力会社側からは、大飯原発の2基を含め、計14基の耐性検査結果が提出されている。保安院は遅滞なく評価を進めてほしい。

 ただし、保安院のお墨付きを得ただけでは、原発は再稼働できない。国際原子力機関(IAEA)や原子力安全委員会のチェックを受けたうえで、首相と関係閣僚が判断し、なおかつ地元自治体も了解することが必要だ。

 原発利用度が高い関電では今冬、電力供給が逼迫(ひっぱく)して節電を求めている。電力を安定供給するためにも、再稼働を目指して手続きを急がなければならない。

 そうした中で今回、保安院が開いた専門家の意見聴取会に原発反対派メンバーらが乱入し、会議が3時間半、開けない異常事態に陥った。専門家の判断をゆがめるような行為は決して許されるものではなく、極めて遺憾である。

枝野幸男経産相も「容認できない」と述べてはいるが、そもそも冷静な議事進行を保証するのは経産相の責任であり、乱入者らの議事妨害は、強制排除に値する。それを放置することは、反対派の妨害活動を助長しかねない。

 ストレステストの評価は今後も続く。今回のような混乱を招かないためにも、議事妨害した人物の傍聴は認めないといった、再発防止策を徹底する必要がある。

 枝野氏の姿勢は、原発の再稼働に責任を持つべき立場にある担当閣僚としても、疑問がある。

 記者会見でも、「大臣の立場を離れた心情としては、再稼働に限りなく慎重であるべきだという主張に近い」と述べ、原発の再稼働に背を向けているという印象を与えた。公平な議論に予断を及ぼしかねない発言だ。日本のエネルギーを真剣に考えてもらいたい。