ものづくりの町、久留米の偉人たち。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 









【都道府県 伝統の教え】福岡県




福岡県の中央部、久留米市。筑紫次郎と呼ばれる筑後川の下流に臨む街だ。同市からは張り付け式ゴム底足袋(地下足袋)の考案者でブリヂストンタイヤ(現・ブリヂストン)の創業者として知られる実業家、石橋正二郎や江戸時代から明治時代に万年時計や精米機など数多くの発明で「東洋のエジソン」「からくり儀右衛門」と呼ばれた東芝の創業者、田中久重など、日本のモノづくりを支えた逸材が輩出された。

 かつて久留米市に暮らしていれば誰もが知り、誇りに思っていた「地域の偉人」も徐々に忘れられるようになった。そこで久留米市教委では「久留米学」を立ち上げ“地域の常識”として市内63におよぶ小中学校で語りつぐ取り組みを続けている。

 「久留米学」とは地域の偉人伝以外にも郷土の自然や歴史、文化学習を加味してカリキュラム化されたものだ。小学校3年から中学3年までの7年にわたる総合学習の時間が、市で作製した副読本「久留米学」を使い、ふるさと学習と偉人学習に充てられる。

 こうしたふるさとの偉人教育の子供たちへの影響について市教委は「子供たちの身近な存在が大きな偉業を果たす話は自尊感情を高め、自分も頑張ろうという励みを与える効果がある」と強調する。