【産経抄】1月7日 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 









 正月早々、小欄あてに多くの賀状をいただいた。生来の筆無精ゆえこの場を借りて御礼申し上げるが、正月らしい雰囲気が街からどんどん消える中、減ったとはいえアナログの代表選手のような年賀はがきが健闘しているのはうれしい。

 ▼ただ、例年とは少々違い、「明けましておめでとう」は少なく、憂国の添え書きが目立った。「大震災で何もできなかった民主党が平気で増税を強行するとは何事か」「市長や地方議会は住民がリコールできるのに、なぜ国会議員はできないのか」などなど。

 ▼いつの世も政治家はめったに褒められず、貶(けな)される方が多い因果な商売だが、確かにダメな政治家が多すぎる。小紙が実施したネット調査では、鳩山由紀夫、菅直人両元首相がダントツで「リーダーにしたくない人物」の1、2位を占めたが、現役大臣では、山岡賢次国家公安委員長が筆頭だろう。

 ▼国会でマルチ商法業者との癒着疑惑を追及されただけではない。平日に地元まわりを優先したため金正日が死亡した直後に開かれた安全保障会議を欠席するわ、内閣府職員への年頭訓示で「ユーロは破綻するんじゃないか」と放言するわと、人の上に立つ資格がまったくない。

 ▼山岡氏は安全保障音痴を自認する一川保夫防衛相ともども参議院本会議で問責決議を可決されたが、お二人とも辞める気配がまるでない。どうせ辞めさせられるなら自ら辞表を出せば格好はつくのに。

 ▼そんな彼らをクビにする決心がついたらしい野田佳彦首相は新年早々、大増税のラッパを高らかに吹き鳴らした。その意気や良し。ならば、増税法案を示した上で衆院を解散するのが筋である。首相に必要なのは、財務省でなく、国民の信を得ることだ。