陸軍伍長 松浦義一 命
昭和十八年一月十日
ソロモン群島ガダルカナル島
タサワロングにて戦病死
愛知県春日井郡小牧町出身
二十五歳
前略。待ち遠しかった内地からの第一信の航空便、先月二十七日
に受取りました。余りの嬉しさに幾度も幾度も読み返しました。
実に、便り程いいものは有りません。お手紙によって故郷の様子も
よく分かり大変喜んで居ます。大分寒くなった様子ですね。
此方も先月は大分朝夕冷えましたが、一月になってからは寒い日は
ありません。
(中略)
次に十六年の元旦は討伐中に迎へ、実に感慨無量なものがありました。
正月の三日間も実に愉快に送りました。雑煮も汗を出して腹一杯戴きました。
兵舎の前の門松も実に堂々たるものです。この門松の前で写真を撮って戴きましたから、
これも出来次第お送り致します。
次に同封の写真二枚は任地に到着間もなく撮って戴いたものです。
御笑納下さい。それから、この外まだ色々の写真がありますが、これ等も追々御送りします。
兎に角、写真の通りの元気さですから御安心下さい。 (後略)
一月四日
義一
父上様
【一月社頭掲示】