神社とともにある、弥彦村の小学校。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 









【都道府県 伝統の教え】新潟県




越後地方の礎を築いた彌彦(いやひこ)大神が鎮座し、越後文化の発祥地とされる新潟県弥彦(やひこ)村。彌彦神社を核にした街づくりが進められ、村民もまた村に愛着を持って暮らしている。毎年7月25日に村を挙げた「弥彦燈籠(とうろう)まつり」があるが、弥彦小学校の児童もこの日に向けて準備を進める。

 重要無形民俗文化財になっている「弥彦燈籠まつり」は、鎌倉時代風の大燈籠や稚児舞(ちごのまい)があり、疫病退散を祈る夏祭りが発展したものだ。4年生の5月から児童は地元の氏子青年会の協力を得ながら、「子供燈籠」づくりに精を出す。

 総合学習の時間には、ふるさと教育「弥彦学」を学年別にカリキュラム化。4年生は「弥彦のふるさと自慢」を探し、調べ学習を通じて、観光パンフレットを仕上げていく。パンフレットを実際に観光客に配ったり、児童がミニ観光ガイドに挑戦する取り組みもある。こうした取り組みが中学3年まで学年ごとに続くのだ。

 大人が多数子供に関わることで、子供の反応は徐々に変わっていく。地域文化の伝承者として認められる感覚が子供に自信を与え、それは挨拶や言葉遣いの変化に現れる。「弥彦」の伝統を、時間をかけて掘り下げていく体験が、地域の一員としての意識や郷土への愛着へと育っていくという。