大日本帝国海軍は強かった。世界最強と云っていい。1922年のワシントン海軍軍縮会議で艦艇の保有比率を、英米日仏伊で5:5:3:1.75:1.75と決めたのは事実だが、英米に比してわが国が6割の海軍力だったわけじゃない。機動力や装備、軍人の優秀さなど総合的な戦闘能力で、日本は英米を凌いでいた。
実際、アジア太平洋地域は日本の海だった。アメリカ は海軍力を大西洋と太平洋に分けていたこともあり、わが国にとって圧倒的な脅威には成り得ない。ミッドウェイ海戦で壊滅的打撃を受けるまで、帝国海軍はその恐るべき実力をもって、まさに広大な海域を制していたのだ。
整然と隊列を組み波を蹴立て進む連合 艦隊は、世界の憧れだった。たなびく旭日旗は栄光のシンボルだった。どこの港に寄航しても、帝国海軍の勇姿を一目見ようと群集が波止場を埋め尽くしたらしい。日本の海軍は常に尊敬の対象であり、とにかくモテたと聞く。
ちなみにモテたのは海外だけじゃなくて国内でも大変なものだったらしい。当時軍人だった叔父に云わせると、海軍の制服を着て歩けば、向こうから女性がぞろぞろ寄ってきて歩きづらかったそうだ。たぶん嘘だと思うが、ちょっぴりホントだったかも知れない。
銀座あたりに繰り出すと、あちらこちらからビールが運ばれてきて、見知らぬ市民からご馳走攻めになったと云う。数軒ハシゴして散々飲んだが自分では支払った記憶がない。気がつけば、隣に寝ている芸者は一体誰なのだ。どこのお大尽が散財してくれたのか。そんな夜も数多くあったようだ。軍服で外出すれば、コスプレだと思われる今とは時代が違う。
さて本題だ。日本鯨類研究所がシーシェパードを米ワシントン州の連邦地裁で提訴するとか。法廷でSSの暴力的な業務妨害を訴え、停止命令を出して貰う作戦と云う。いいじゃないか。あいつらは海の無法者だ。アメリカの団体による犯罪である以上、地元の法律で縛り上げるのも一案だ。どんどんやれやれと思う。
しかし、それだけでいいのか。余りにも情けないじゃないか。わが国の政府は一体何をしているのだ。日本の船舶がエコテロリストに攻撃され、負傷者まで出ているのに、指をくわえて見ているのか。一研究所が相手国で訴訟を起こさねばならない状況を座視するつもりか。SSみたいなチンピラヤクザに舐められてどうする。
国民の安全を守ってこその国家だ。ここは軍艦を派遣して、SSの妨害船など撃沈してしまえばいいではないか。南の海洋で日本の船舶が危害を加えられているのだから、海軍が治安出動すべきだ。海上自衛隊の出番なのだ。海上保安庁は別名、湾岸警備隊であり守備範囲が違う。
そもそも広大な領海を有するわが国だもの、強大な海軍を持って当然だ。専守防衛 などと綺麗事を云って、全てが本土決戦に持ち込まれるのじゃ堪らない。海を制して国を守れ。原子力空母や原子力潜水艦を保有し、往年の連合艦隊を復活させよう。わが国の海軍力こそが、アジア太平洋地域の海域の平和と安全を守るのだ。
わが海軍がSSなんぞをあっさり撃沈してくれたら、自衛隊員に対する感謝の念はいやが上にも高まるだろう。若い軍人さんよ、ビールをどんどん飲んでくれ。銀座で奢ろうじゃないか。そう云う気持ちになる。これこそ国家としての正しいあり方だ。