奉祝・秋篠宮文仁親王殿下、46歳御誕生日。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 








草莽崛起:皇国興廃此一戦在各員奮励努力セヨ。 

               46歳の誕生日を前に記者会見される秋篠宮さまと紀子さま

                   =11月22日、東京・元赤坂の秋篠宮邸(代表撮影)

お誕生日会見全文。 1

 

(宮内記者会代表質問)


(問1)両殿下にお伺いします。今年は、未曽有の被害をもたらした東日本大震災が発生し、さらに台風被害が相次ぐなど、自然災害で多くの国民が犠牲になりました。

 東日本大震災では、両殿下も各県の被災地にお見舞いに行かれ、眞子さまも夏休みに被災地でボランティアをされたと聞いています。被災地のお見舞いで印象深かったことや、今後どのように被災者に心を寄せていかれるのかについてお話しください。

 大震災の発生当時、ご家族がどのようにお過ごしだったか、こうした大きな災害があった際の皇室の役割についても、お考えをお聞かせください。


殿下 3月11日に東日本大震災が発生し、多くの人々が亡くなり、また行方不明になり、そして今でも大変多くの人たちが困難な生活をしております。震災が起きてしばらくしてから、私たちも最初は被災地ではなく、被災者で東京を始め他の県に避難している人たちのところへお見舞いに参りました。その後、被災地の方へと行ったわけですけれども、今回の被害が非常に広域にわたっているということから、まず、被災地の中でもどこに私たちが行くべきかということを考えました。そして、こちら二人(両殿下)が何らか縁のある場所、縁のあるというのは、その地域に縁(えにし)あるということもありますし、また、二人とも幾つかの団体に関連しておりますので、その関連する団体に関する、そういうところを中心に行こうということになりました。そして、東北地方を回ったわけですけれども、印象に残っていることといえば、私はやはり、それまでテレビなどの報道を通して流れてくるニュースはもちろん見ていたわけですが、実際にその場所に行って目の当たりにすると、私たちが行きましたのは震災からしばらくたってからのことではありますけれども、いまだに倒壊した家屋がたくさんあり、その当日の被害の大きさというものを改めて実感しました。

そのことが最初に強く印象に残ったことです。また、そういう大変な状況の中にあって、私たちが接した人々というのは、本当に限られた僅かな人たちですけれども、その人たちが非常に前向きな姿勢で一日一日を過ごしているという印象を持ちました。さらに多くのボランティアの人が活動している場面にも接しましたし、自衛隊員の人たちが作業をしている場面を見かけることもありました。非常に多くの人たちが、震災に対して誠意を持って接している、手伝いをしているということが印象に残っております。そして、もう一つ、私の印象として強いものは、私は1990、多分99年でしょうか、今回大きな被害のあった岩手県の大槌町に大学(総合研究大学院大学)のプロジェクトの研究会で行きました。そして、それから3年後、2002年に今度は、確か、「自然と共生するまちづくりシンポジウム」だったと思いますけれども、シンポジウムのパネリストとしていっております。その折には、家族も途中から合流しておりますが、今回、大槌町と山田町に行きましたときに、そのシンポジウムのときに会ったとか、シンポジウムに自分も参加していた、そういう人たちが非常に多かったことに私自身も驚きました。これだけ多くの人たちと、その場所において、同じ空間で、同じ時間を過ごしていたということを改めて認識しましたし、その人たちにも再び会えたことをうれしく思いました。

 その次は、被災者の方々にどのように心を寄せていくか、ですか。

 やはり、今回の震災(の復興に向けた取り組み)は非常にこれから時間もかかり、長期的なものだと思います。したがいまして、長期的な視野で今後の復興を見守っていきたいと思いますし、携わっていきたいと思います。そして、末永く被災された方々に心を寄せていきたいと考えております。

 また、ちょっと質問と順番が変わるかとは思いますが、こういう大きい災害が起こったときの皇室の役割についてですけども、私は皇室の役割、それから、私でも家内でもいいのですが、皇族個人の役割、その二つは少し分けて考えた方がいいように思います。

 皇族である個人の役割というのは個人によって違ってくると思いますし、それぞれのやり方があると思いますけれども、皇室の役割ということになりますと、先ほど申しましたように、被災した地域の復旧・復興を長期的な視野で見守っていくことであり、被災者に対しても末永く心を寄せていく、そういうことではないかと思います。

 3月11日のその日、地震が起きたときは、私たちはちょうど来客中でありました。最初、それほど大きくない揺れでしたですね。ただ、ずうっと揺れが続いて非常に途中から大きくなってきたものですので、私たち二人と話をしていたお客さんと一緒に一時、外へ避難いたしました。(妃殿下を振り向かれて)私だけか。


妃殿下 (殿下をご覧になって)私は子どもの様子を…


殿下 (妃殿下をご覧になって)ああ、そうだ。私とお客さんは外に出まして、家内は子どもたちが家の方におりましたので、そちらの方の様子を見に行きました。そして、しばらくしてから部屋に戻ったわけですけれども、その後は基本的にニュースを見ながらそのときの状況を知ろうとしておりました。私からは以上です。


妃殿下 今年は国の内外で、規模の大きい自然災害が起こり、心の痛むことの多い年であったように思います。ご質問が幾つかございますが、(少しお考えになって)私の場合は、地震が起きた当日のことをふり返りながら、少し順番は変わるかもしれませんが、当時のことをふり返りながらお話をさせていただいてもよろしいでしょうか。

 (記者の同意を得て)3月の11日、震災当日、先ほど宮様がお話しされましたが、私たちは宮邸におりまして揺れを感じました。

状況を把握するために、ニュースを見たりしながら過ごしておりましたけれども、報道から非常に規模の大きい地震、津波、そしてその後に原発事故と複合した災害によって、多くの尊い命が失われ、また、行方不明になられた方々、大切なものを多く失った方々がいらっしゃって、たくさんの方々が、本当に私たちでは計り知れない深い悲しみと強い不安を持ちながら過ごしていることを知りまして、胸が塞がる思いがいたしました。

 こうした災害時において、宮様もお話をされましたが、被災された方たちのこと、困難な状況にある方たちのことに対して思い続けていく、心を寄せていくことは(皇室の役割として)非常に大切でございます。

 震災後、宮様と一緒に私は、被災状況をなるべく理解できるようにと思い、関係者からお話を伺いました。また、それとあわせて避難所や被災地の学校、施設を訪れました。少し宮様が話されましたことと重なりますけれども、訪れた場所は、私たちが以前から関わっている団体が活動している地域を中心に参りましたが、訪れた先では、大変困難な状況の中であってもお互いに助け合い、支え合いながら生きている人々の姿を目の当たりにして、私たちが大きな力を頂きましたり、勇気づけられることも度々ございました。

 また、この震災では国の内外から本当に多くの心温まるお見舞いや励まし、そして支援が行われてきました。自分に何ができるかしらと思われた方も多くいらしたと思います。大きな団体や組織、それから学校から個人のレベルまでさまざまな形で、被災地、そして被災者に対して献身的な支えをしている人々の姿が多くございました。私が携わっております結核予防会も、震災直後から委員会を立ち上げまして、被災地の人々の健康を案じ、医療機関とともに連携しながら被災地での医療、そして健康支援を夏まで行いました。宮様と訪れた場所でも、結核予防会の活動を見せていただき、お話をうかがわせていただいたところもございます。また、母子愛育会という私が昨年の10月から携わっている団体も、子どもたちのための支援活動を行っております。

大震災から8カ月がたちまして、時が過ぎても、被災地で暮らす人々、住み慣れた土地を離れて暮らす人々、そして、大変な生活を余儀なくされている人々に心を寄せながら、思い続けながら、人々の心身の健康や子どもたちの成長を長期にわたって見守る活動などを、これからも関わっていくことができればと思っております。


殿下 (妃殿下のご回答をお聞きになった後,妃殿下をご覧になって)印象に残ったことは。


記者 お願いします。ぜひ。


妃殿下 (少しお考えになって)印象に残ったことは、先ほどお話ししましたことと重なりますが、被災された方々とお目にかかり、お話をうかがわせていただく中でも、ご自分たちが非常に厳しい、大変な状況で過ごしていらっしゃるにもかかわらず、私たちがうかがったことに対してお礼の言葉や優しい言葉をくださったり、(少しお考えになって)いろいろな方と出会い、そして、いろいろな方の思いをうかがわせていただきながら、多くのことを感じ、また、その時を大切に思いましたことです。被災地では、子どもたちが私たちに、夏ですからうちわとか、ビーズで作った腕輪など、(殿下を振り向かれて)それから風鈴もございましたか。それは宮城県の小学生が作った…


殿下 (妃殿下をご覧になって)そうですね。


妃殿下 子どもたちの手作りの作品や大切に育てられたお花をいただきましたり、手作りの「まけないぞう」でしたかしら、被災されたご婦人方がタオルで作られたかわいい象を贈り物としていただきましたけれども、そういうものも手元に置きながら、宮様そして子どもたちとともに、今年起きた大震災について思い続けたいと思っております。

 また、私は先週も東北地方を訪れておりましたけれども、そのような中で、地域地域の皆さまそれぞれのつながりがあり、また、強い絆を持って過ごしていらっしゃることを改めて感じました。それぞれの方が今、時間の経過とともに生活もさまざまでいらっしゃっていて、その中でこれから寒さも厳しくなって、健康の面でも案じることがいろいろとございます。(しばらくお考えになって)何か話がまとまりませんけれども。(殿下を振り返られて)


殿下 (妃殿下をご覧になって)じゃあ、ちょっとまとめるね。

 やはり、私が思いますに、いろいろな機会に、ここ何カ月かの間に被災地を訪れています。私たち二人もそれから娘たちも行っておりますが、これからだんだん復興に向かっていくその過程で物理的に何かをするのは難しいこともありますけれども、何らかの形で携わりながら見守っていきたいなと思います。


妃殿下 (殿下をご覧になって)ありがとうございます。


(問2)両殿下にお子さま方について伺います。


(1)今年は、眞子さまが成年皇族として新たな一歩を踏み出されました。眞子さまが成年を迎えられた感想はいかがでしょうか。20年間の思い出とともにお聞かせください。


殿下 私たちが結婚したのが1990年で、眞子が1991年に生まれました。私たちが今まで21年間、娘が生まれてからだと20年間ですが、この時間というのは割とすーっと過ぎて、あまり時の経過を感じないように思うわけですけれども、生まれた子どもが20歳になる、その成長を考えると、やはりそれ相応の時間がたったのだなという感じがいたします。

 20年間の思い出と言いますと、私はそんなに娘と遊んだりとかはしなかったのですけれども、やはり、二人でどこかに行ったということが印象に残っております。子どもの頃に水族館に連れて行ったこととか、神宮の次期式年遷宮がありますけれども、その関連行事の御(お)木(き)曳(ひき)に二人で行ったこと、それから、海外も2回ほど二人で行きました。海外にはマダガスカルとラオスに行ったわけですが、やはり一緒にいる時間が長い分、例えば長いドライブをしている間とかに、いろいろ話をしたりしました。そういうことが、私の記憶にはよく残っております。比較的いろいろなものに興味を持つ子なものですから、どちらかというと父親の興味に付き合ってくれていると、合わせてくれているというところもありますけれども、そのようにして二人で行ったいろいろなところのことが、良い記憶として残っております。


妃殿下 小さかったと思っておりました長女の眞子も、いつの間にか成長して20歳を迎えましたこと、感慨深く思っております。

小さいときのことをふり返りますと、眞子は本を読むこと、それから絵を描くことや外で元気に遊ぶことが大好きでした。どのような思い出があるかとふり返りますと、たくさんございまして、宮様のように具体的にどれにしようかと悩んでしまいますが、普段の生活の中で、とても元気に楽しいことをたくさんしてくれた娘のように思います。一緒に外で遊んだり、本を読んだり、お菓子を作ったりなど、一つ一つ小さなことですけれども、私にとりまして、とても大事な思い出になっています。

 この20年の流れは、ふと今日感じましたことの中に、長男の悠仁と本を読んでおりましたのですが、その本が実は眞子が小さいときに読んでいた本でございました。眞子と一緒に読んでいた本で、表紙もだいぶ読み込まれたようなものでしたけれども、それを手に取って悠仁に読んでおりましたときに、小さい頃から本が大好きだった娘の思い出が蘇ってきました。眞子と一緒に読んでいた本、または、眞子が読んでいた本を次女の佳子が読み、今は悠仁が読んでおりまして、何かそのように一つの本が大事に読み継がれていくのをうれしく、また、時がた経っていることを感じました。

 先ほど、小さかったと思っておりました娘がと言いましたが、随分大きくなったという印象もございます。どういうところでそのように感じるかと申しますと、例えば、日々の生活で私がいろいろな務めや用事で慌ただしくしておりまして、いつの間にか肩に力が入り過ぎたりしたようなときは、緊張をほぐすためにでしょうか、面白い話をしてくれます。また、これは私が小さいときからそうなのですが、時折、話すテンポが、子どもたち、(殿下を振り向かれて)宮様からも遅れてしまうことがございまして(一同笑い)、そういうときには、さりげなくフォローする言葉をかけてくれまして、私も大変助かります。

娘が20歳を迎えましたが、その成長の過程では、両陛下が初めての孫としても、いつも優しく見守ってくださり、また、私が子どもを育てる上でも、多くのことを教えていただきました。今日まで娘を温かく見守ってくださった方々に感謝しますとともに、また、これからの日々、娘そして(殿下を振り向かれて)家族とともに充実した日々を過ごせるようにと願っております。


(2)成年皇族として、どのような姿勢でご公務に臨まれるようにお話をされているでしょうか。


殿下 私は、何か公的な行事を依頼された場合には、せっかく頂いた機会ですので、それを一つ一つを大切に一生懸命務めるようにと申しております。


妃殿下 成年として、公的な活動に携わっていくようになりますが、この前、ブータンの国王王妃両陛下をお迎えする、(殿下を振り向かれて。殿下うなずかれる)歓迎申し上げる宮中晩(ばん)餐(さん)会に出席させていただきました。

 成年を迎える前のことを少し思いますと、宮様と私は、娘たちとともに、例えば全国高等学校総合文化祭や、少年の主張全国大会など、娘たちと同年代の人たちが参加する行事に出席して、またその行事についての説明を一緒に受けて理解を深めるよう心がけておりました。これから一緒に出席する行事がどのくらいあるか分かりませんが、一つ一つ携わらせていただくお務め、行事など、その経験を大事に積み重ねながら、また、さまざまなことを学びながら良い務めを果たしていけるように願っております。

また、公的なお務めをさせていただく中で、娘は今、他の学生とともに勉学に励み、また、クラブ活動に参加して、若くて爽やかな学生生活を送っていますが、宮様のときもそうでいらしたと思いますし、また、他の皇族の方も、学生生活に重きを置きつつ、公的な活動に携わられていらしたとうかがっておりますので、娘もいろいろと考えながらお務めしていくことになると思います。


(3)また、眞子さまのご結婚についてのお考えをお聞かせください。


殿下 (ほほえまれながら)彼女が、この前会見で、父親が自分の年齢のときには既に結婚のことを考えていたようだけれども、自分はまだそういう考えはないと確か言ったと思います。確かにそれはそのとおりですし、私たちも割と早く結婚しましたけれども、これはあくまでも本人次第ですので、考えというのは今のところ私には、特にありません。


妃殿下 宮様と同じように、結婚についても、本人の気持ちを大切にしたいと思っております。










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